うえびん

離ればなれになってものうえびんのレビュー・感想・評価

離ればなれになっても(2020年製作の映画)
4.3
光陰矢の如し

2020年 イタリア作品
原題:Gli anni più belli(最高の年)

1982年ローマ、16歳のパオロとジュリオとリッカルドの男子3人組。そこにパオロと恋におちたジェンマが加わる。それから2022年まで、40年間の男女4人の物語。

自分の年齢も、子どもが18歳だという状況も、本作の4人とほぼ同じなので、感情移入しまくってしまった。1989年のベルリンの壁崩壊や2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件などもタイムリーに目にしているので、世界観にも入り易かった。トレビの泉やオペラ座などイタリアの文化や市井の人びとの暮らしも垣間見れて興味深かった。

40年の月日の流れの中、出会いや別れ、偶然の再会や生活のやり直しなど、4人の関係性が変化してゆくストーリが面白かった。関係性の変化の中で、各々がいい奴に見えたり嫌な奴に見えたり、見え方も変化してゆくのも面白かった。

大学生の頃、ゼミの先生を囲んでよく歌っていた『青春時代』(森田公一とトップギャラン)が思い出された。


青春時代が 夢なんて
あとから ほのぼの 思うもの
青春時代の 真ん中は
道に迷っているばかり
(胸にとげさすことばかり)


光陰矢の如し。立ち止まって振り返ると月日の経つのはあっという間だけれど、多感な青春時代を共に謳歌した仲間とのかけがえのない時間は、記憶の中に結晶化して輝き続けている。高校時代や大学時代の友人に、共に子どもを連れて再会したくなった。 
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