見終わっての感触は『ホワイト・タイガー』と『盲目のメロディ〜インド式殺人狂想曲』を足して二で割ったみたい、というもの。
と思ったら脚本家が後者と一緒で、スタッフもかぶっているようです。あっちの方がキャッチーだけれど私はこっちの方が好きかな?
監督は『燃えよスーリヤ』と一緒ですが、この方脚本家として順調に売れてますね。年末劇場公開したランヴィールとディーピカー共演のスポーツ映画に参加してる。監督としては久しぶりの仕事みたいですが、最近のボリウッドはアクションとかドラマ系の映画普通に撮れる人が活躍しやすいのかな?
なんにせよ、とっ散らかったアクションコメディー撮った人が伏線張りすぎのブラックコメディー系のミステリーの監督の脚本使ったら程よく落ち着いたというののはなんか不思議です。雇われてやるならなんでも水準以上にこなせる人なんでしょうね。
で、この映画見たら『燃えよスーリヤ』もう一度見たくなってしまった。バランスとってあっちのスコアあげときます。面白いけれどなんかサラッとしているんですよね、これ。あっちははちゃめちゃでテンポたるくてもハートがあったなあ。
ラージクマール・ラーオもフマー・クレーシーも役に難なくハマりすぎだし、唯一良かったのは刑事役のラディカ・アプテさんか?あと主人公の婚約者の可憐な容貌と言動のギャップが面白かったです。
噛み締めるとより現実にありそうな成功するかどうかわからない『ホワイト・タイガー』ぽくなるんですが、主人公巻き込まれ型に作りすぎ、っていう感じはしました。
東野圭吾のサスペンスはインド映画の原作になりやすい感じですが、そもそも東野の作品って、人情味がありそうに見えて実は生活感のある本格推理なので、この映画の感触は意図したわけではないけれど原作に忠実?
『ブルータスの心臓』日本でドラマ化されているようですが、そっちとはベクトルがまるで違った作品になっているように思います。原作はともかく、ドラマの方は見てみたい。
サラッとしている割に噛みごたえありそうなので、忘れた頃にまたみてみたいと思います。
秘書役のクレーシーさん、ディーワーリー公開のコメディーにXLサイズの女性役で出演ということで、普段からふっくら目のことが多いですが、さらにボリュームアップしています。ほぼ同時撮影なのかな?と思いますが、カメラさん、大変だったのでは?
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2度目みましたが、私この監督やっぱり好き。
主人公のきているTシャツが少年サンデーだったり、細かいところが手が混んでいる。
あと、モニカ役のフマー・クレーシーさん、愛人として魅力的かどうかは??でしたが、役作りはうまかったなあ。他の愛人たちはともかく、主人公との関係性は面白かった。ラージクマール・ラーオさんはいつも通り平常運転で上手かったです。ラーディカー・アープテーさんはよかったけれど最後のお仕事で作品が軽くなってしまった感じ。
事件の顛末は、へえ〜という感じで軽く終わらせてましたが、ラストシーンがとても好き。(11月27日追記)