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ミッキーマウス ザ・ストーリーのkmtnのレビュー・感想・評価

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メリル・ストリープが「ウォルト・ディズニーはレイシストだった」と発言したのはもう何年前だろうか。

本作ではミッキーの誕生から現在までを描く記録映画。
第二次世界大戦時に、プロパガンダで使用されたことや、今でもよく話題に登るミッキーの著作権の話など、ミッキーマウスの負の遺産(?)にも触れつつ、概ね自由のシンボルとして、アメリカの大衆文化の象徴としてのミッキーを描く。

負の遺産については、触れてはいるものの、反省する様な態度ではないのが気になるが、とは言え触れないよりかはマシか。
あくまで「伝説だ」と作中で語られるが、やはりオズワルドはミッキー誕生に切っても切り離せない。
「オズワルドを取り戻せ」がウォルトの遺言だという話も存在する。

ミッキーはこれまで様々な媒体で使用されて、それは最早、ウォルトのものでありながら、一方でその手を完全に離れた存在でもあった。
ディズニー作品の中だけのミッキー論ではなく、ポピュラーカルチャーとしてのミッキーの物語。
面白かったです。

追記
負の側面に触れているということをかなりの人が書いているけれど、上記の通り反省しているとは言い難いと思う。
ただ触れているだけだし、ある場面では肯定しているとさえ感じた。
ミッキーマウスは自由の象徴であり、それを汚すことは許されない、当然悪だという、非常にアングロサクソン側からのみの価値観だなと思った。
著作権に関しても然り。
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