いずれスタローンが出演から退いたら監督側に回るのかなと思っていたらマイケル・B・ジョーダン自身にメガホンを渡すというね。本作からしっかりアドニスが独り立ちしていてまた本人が監督することでマイケル・B・ジョーダンもより一端の男になったというか。スタローンの意思を受け継いでライアン・クーグラーが作り上げたクリードシリーズのこの到達点に熱いものがこみ上げる。
ロッキーではリング外でのドラマがシリーズを追うごとに弱くなっていってしまった。5においてきっちりフィラデルフィアに戻って地に足のついたドラマをやったのも嫌いじゃないんだけど。
でもやっぱり最後はリングで決着を付けないとね。アドニスの兄弟分との過去の清算と娘とのドラマが非常に上手く絡んでいてその諸々がリングでの闘いに集約されていく。特にロッキーの方では息子との関係を描くのが中途半端に終わっていただけに。ファイナルはまた別だけど。ロッキーから含めてもシリーズ最高傑作と言って過言ではあるまい。勿論シリーズの積み重ねがあった上で、だが。
試合展開をよりドラマティックにしようという演出も良かったな。もし今後もマイケル・B・ジョーダンが監督業をするのなら次回作が楽しみだ。最後の最後のオマケに関してはどういう感情で観たらいいのやら困惑したが……。