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クリード 過去の逆襲のkaitoのレビュー・感想・評価

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)
2.5
重みがあるのはパンチだけ…

CREEDシリーズ3作目にあたる『クリード 過去の逆襲』を鑑賞してきたよ。まだ2週目とかなのに、上映回数減りまくりで焦りながらなんとかIMAXで鑑賞。「ボクシング人生を華やかな形で閉じたアドニスの前に刑務所あがりの幼馴染デイムが現れる」がざっくりとしたあらすじ。

なんとも言えない消化不良感が残る映画だと感じた。クリードシリーズは大好き。1作目も2作目も4.0を超える評価をした記憶がある。胸が熱くなるし、本当に試合を観ているよう。ロッキーとアドニスの掛け合い・絆の深め方がすごく好きで好きで…

今作残念なのはロッキーが全くと言っていいほど触れられていない点。製作側で色々あったらしいし、出演しない選択も理解できるがあまりにも無責任であると感じる。1.2のメインキャラが唐突に出演がなく、話としても語られないことに対して視聴者はモヤモヤした気持ちが続く。

脚本も正直薄っぺらいなあと感じた。ロッキーというメンター的な視点があって、彼とのやりとりがあったからこそアドニスのキャラクターアークも視聴者が理解できていたけど、今回は心情を吐き出す場所が妻くらい?
ストーリー展開もありきたりで、テンプレートにクリードの要素を当てはめただけのようで面白みはない。

ただただ素晴らしかったのは役者たちの演技。特にデイムを務めたジョナサン・メジャースはキャラクター像を含めて映画で一番興味深い人だった。どん底から這い上がるためには汚いことでも反則でもお構いなしで、非常に泥臭い人間像で良かったなと思う。アドニス家に関してはいい演技だけど、いい家族だなあって思うことがあまりなかった。3人同時に映る瞬間も喧嘩を除けば最後くらいじゃないか?脚本もあれだが、映し方も平凡だったな。ただ映してる感。

今回焦点を当てるのは、アドニスとデイムなのだからもう少し彼らを映して欲しかった。特にデイム。彼がどれだけどん底を味わい、苦労してきたのかを見たら、また見え方が変わった気がする。刑務所でアドニスの活躍を見てるデイムの姿とかね。レオンの深掘りとか、彼が父親代わりだったとかの話は結構どうでもいいように感じた。

ボクシングシーンはぼちぼちかな。ところどころ漫画っぽい描写があって、少し違和感があったのが確か。(マイケルBジョーダンも日本が好きらしい)本当にリアルなボクシングの試合を観ているようだった1作目2作目とは違い、監獄の描写もバトルに取り入れられてて、どちらかというとやはりアニメとか漫画っぽい。

期待していただけに色々残念でしたが作品の質は酷すぎということではなく並であると感じる。

以上
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