絵面のカッコよさは相変わらずで、特に退屈することもなく最後まで楽しめた。
ただ、そもそもにこの話をやるに当たって、シリーズとしての積み重ねが足りない気がする。
1作目の公開から8年がたって、マイケル・B・ジョーダン自身の年齢のこともあり動ける内にというのはわかるんだけど、にしたって前作の公開からそこまで期間が空いているわけではないし見る側の体感として微妙なとこがある。
デイミアンに関しても、掘り下げ不足感はあって、中途半端に共感できる人物として描かれているのがなんだか。
例えば、少年時代の出来事をアドニスを守るためにおこした行為が不幸を招き、それをアドニスに責任転嫁して怨んでいるとかなら、スッと入ってくるんだけど、この辺が中途半端でデイミアンも特に歪んだ人物にも思えないので最終戦にカタルシスもあまり感じない。
だし、デイミアンがアドニスと戦うまでの流れに違和感がどうしてもあって、現王者の強さの立ち位置がよくわかんなくなってたり引退の重みが無くなってるが良くない。
二人がここまで来るに当たって手に入れてきたものの対比とかが戦いに反映されていたりすると良いのだが、そこもテーマ性として存在してるだけで結局ないがしろにされてたりするので、勝手に盛り上がっている二人の痴話喧嘩を見せられている気分にはどうしてもなってしまう。
ここで、トレーナーに卑怯な戦法を支持されるけど、それを無視して最後は純粋な殴り合いを望むデイミアンとかの展開になっていくならノレるのだけどな。