ボクシングから引退を決めたチャンピオン・クリード。彼の引退から3年。デュークと共に未来のチャンピオンを育てながらも、妻のビアンカと娘のアマーラとの日々を満喫していた。
そんな中、クリードの幼なじみであり、兄貴分でもあるデイムが刑務所から出所してきて、クリードを訪れる。ボクサーになることを夢を見るデイムをクリードは快く、自らのジムに誘うが…。
クリードの最新作であり、マイケル・B・ジョーダンの主演かつ、監督初作品。
感想としては、いろいろともったいないという気持ちをとても感じた。
クリードの幼少期の思い出やデイムとの過去など、これまでのクリードの闇の部分を中心にエモーショナルに描かれていた。デイムとの対決では、鉄柵(牢獄)のようなビジュアル的な演出や、2人だけで戦っているような演出がされていたりと、クリードとデイムの2人の戦いというものにきちんとフォーカスされていた。
クリードが親になり、そのあたりの心境の変化や妻だけでなく、守るべき存在の大きさも焦点になっていたりと、クリード自身の成長物語であった。
だが、これまでの作品に出演していたロッキーであるシルベスター・スタローンの不在がとても残念だった。前作では自分の子どもと孫に会いに行くというところで終わっていたが、今作では1mmも出てこなかった。明らかなクリードの節目である試合にも関わらず、登場しないというのは非常に違和感があった。まるでパラレルワールドかのような感じがした。
また、日本で本作の上映後に同時公開となったアニメ作品についても触れておくと、明らかにもったいない…となった。
いわゆるクリードサーガのアニメ版なのだが、出来がとても良いのにティザー版のような短いアニメになっていた。壮大なスケールだったので、全部は描かれず、かいつまんだ内容になっていたので、全部見せてくれよ…!という気持ちになった(しかも、声優はかなり本格的なチョイスのキャスト!)
NetflixやDisney+などでアニメシリーズとして配信して欲しいという気持ちにはなるのだが、消化不良のアニメを見せられた気持ちにもなった。いつか日の目を見る時が来るのかはわからないが、こちらはこちらで楽しみだ。