もちお

クリード 過去の逆襲のもちおのネタバレレビュー・内容・結末

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

 配信で観ました。
 字幕版です。
 全体的に楽しめなかったです。

①シリーズとの距離感
 『ロッキー』シリーズも『クリード』シリーズも観てきました。
 いずれもテレビ放送やDVDのレンタル、配信での鑑賞です。
 『ロッキー』シリーズでは、1作目・4作目・6作目が特に好きです。
 『クリード』は1作目が素晴らしかったです。
 『クリード』2作目も好きなのですが、ロッキーの登場時間が短くて物足りなさを覚え始めました。
 それなら『ロッキー』シリーズを観れば良いのですけれども😅
 本作にロッキーが出ないことは事前に知っていましたが、やはり寂しかったです。
 が、本作で気になったところはロッキーの不在だけではありません。

②良かったところ
 デイム役のジョナサン・メジャースさんの演技が良かったです。
 特に悲しげな表情が印象的でした。
 寂しさが伝わってきました。

③鑑賞中に理解できなかったこと
 写真で怒るアドニスの展開が分からなかったです。
 砂浜のデイムに突撃し「騙された」と怒っていましたが、観ている間は話についていけなかったです。
 鑑賞後に「ヴィクター負傷の犯人とデイムがグルだったのかな」と思い、納得しました。
 恥ずかしながら私の理解力が低かったのですが、ついていけなかった理由を他にも考えてみました。
 おそらくアドニスの怒りの矛先がメアリー・アンからデイムに一気に変わったからかなと。
 また、デイムたちの写真が一瞬映りますが、襲撃犯の画像もテレビで少し映るだけなので、私の脳内で照合するのが難しかったです。

④気になったところ
・アドニスにも非はあると思いました
 アドニスは妻から「あなたは悪くない」と言われ、最終的にデイムからも「悪くない」とされていましたが……
 私は疑問でした。
 レオンに虐待されていたとは言え、路上で最初に殴ったのはアドニス。
 虐待されていたことは暴力の動機になっても、暴力を正当化できるものではありません。
 だからこそ逃げたアドニスは苦しんでいるのですが、その割に周りの反応が甘いように感じました。
 もし「レオンからアドニスが絡まれて殴られたところをデイムが助けようとした」といった話であれば、飲み込めたのですが。

・反則をするデイム
 成功しようと必死なこと自体は良いと思います。
 ただ、試合中に反則をするキャラクターなのは、やり過ぎに感じました。
 ヴィクター襲撃犯とグルなのも……
 私としては「アドニスにも勝ってほしいけど、デイムにも勝ってほしい!」と葛藤したかったのに、ここまで描かれると「アドニスに倒されるための存在なんだ……」と冷めてしまいました。
 ヒーロー映画の悪役であれば、ルール無視で暴れてもいいと思います。
 が、スポーツを扱うのであれば、ルールの範囲で競ってほしいです。

・アドニスの娘の絵を破った子
 気が引きたくてとの説明がされていましたが、飲み込めなかったです。
 これ見よがしに破いたので悪意たっぷりだなと。
 娘のパンチ力を披露するための描写かと思いますが、唐突に感じました。

・ヴィクターの件
 ヴィクターの登場自体は嬉しかったです。
 が、いろいろと気になるところがありました。
 まず、パーティーでいきなり襲われて負傷するのが嫌でした。
 『クリード2』で父との再出発が素晴らしかったのに、あっさり怪我をさせるとは残酷だなと。
 そして、アドニスのスパーリング相手になる展開。
 非常にモヤモヤしました。
 負傷から日が浅そうなのに大丈夫ですかと。
 アドニスに心配されたヴィクターが「問題ない」としていましたが、雑に感じました。
 もっとヴィクターを大切に扱ってほしかったです。

・メアリー・アンの死
 何とも言えない気持ちになりました。
 アドニスが妻に心を開くきっかけでしたが、そのためだけに命を落としたようで引っかかりました。
 練習や試合でアドニスがメアリー・アンに想いを馳せるといったシーンもないですし。
 メアリー・アンがアドニスをアポロと勘違いするシーンにも冷めました。
 ファンへの目配せに感じて嫌でした。
 そもそもロッキーが出ないのに過去作とのつながりを強調されると「じゃあ、ロッキーは?」と思ってしまいました。

・最後の試合
 アドニスとデイムの因縁が強調されるほど、とても個人的な戦いに感じました。
 観客がいなくなる演出は興味深かったですが、いかにも2人だけの世界なので何だかなと。
 仲違いした2人の対決なので、ボクシングではなく喧嘩感が強かったです。

・クリード家、リングの上で遊ぶ
 微笑ましいシーンなのかと思いますが、私は不快感が強かったです。
 大切な場所で何をしているのかなと。
 調子に乗っているように見えました。
 嫌なラストでした。

・ロッキー不在
 『ロッキー』ではなく『クリード』シリーズなので仕方ないとは思いますが、物足りなかったです。
 ロッキーの不器用さが恋しかったです。
 アドニスも魅力的ですが、本作ではスマートすぎるのかなと。
 基本的にスキがなく、愛しにくい人物に感じました。

・いつもの曲
 あの曲がかかって、本来であればテンションが上がるのですが……
 今回は全く盛り上がらなかったです。
 ロッキーとは距離を置いているのに、この曲は使うんだなと。
 嫌な気持ちになりました。

⑤まとめ
 気になったところが多めでした。
 ただ、ジョナサン・メジャースさんの演技が魅力的でした。
 観て良かったです🙇‍♂️
もちお

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