このレビューはネタバレを含みます
ホラー好きの彼女と鑑賞。
清水崇さん、『呪怨』は怖かったけど、以降はあまり惹かれず。
彼女の好みでなければチョイスしなかっただろうなー。
予想通り、好みではなかった。
ヴァーチャル世界が現実とリンクするのは面白かったし、ユタ(沖縄の霊媒師)が関わってきたり、島の閉鎖的な社会が引き起こした過去の悲劇が関与してくるのも良かった。
設定はセンスを感じた。
ただし、色々と説明が不足していて、脳内???のまま進んでいく。
シンセカイと現実のリンクが鳥居なのはわかったんだけど、なぜシンセカイにイマジョが現れたんだろう?
まあ、この辺考えちゃうとホラーなんて楽しめないんだろう……
あと、昔イマジョに島民は殺られたはずなのに、今の島民は何故無事なんだろう?
ユタは「昔あった話」というのが本当なのか濁すけど、実際にシゲルさんが体験しているのを知ってるわけで……
シゲルさんが島民から村八分にされているのには理由があるんだから、もうこれは島全体の問題で起きた事件だよね。
とにかくシゲルさんが可哀想だったし、怨霊?になったイマジョすら可哀想と思えた。
細かいこと指摘すると、海から取り出した鳥居にマッチで火をつけただけで燃えたり、シゲルさんの母親の遺体が割とキレイだったり、所々ツッコミどころがありましたね〜。
主人公の友彦だけど、、、
若き天才脳科学者で、人間にあまり興味無いというありきたりな設定から、人を守るために注力するって流れになるが、これまたあまり友彦の背景に踏み込めていないのが残念。
どこに説得力があるのか全く分からないし、共感も生めず。
そんな彼に助けられたことで惹かれていく環さんだが、亡くなった父親との関係性からメロっぽい雰囲気を醸し出しながらも深くは描かれず……。
山本美月さんも、スマートな演技だったが感情が乗っていなくて。
彩りのある役者を揃えながら、彼らを活かすことが出来ていなかったなあ。
笹野さん、吉田妙子さんらベテランは流石でした。
一番良かったのは、間違いなく當真あみさん!
第二の広瀬すずさんって感じ?
透明感もあるし、力強さもあった。
まだ16歳。将来が気になる存在。
ただよ、監督さんよ、、、
あのラストは何なんだ?
彼女がシゲルさんを追ったのか、それともイマジョの影響を受けたのか……分からない。
ハッキリしない含みのあるラストってのは、こういうことじゃないでしょう。
ホラーとしてどうか。
中盤にイマジョの存在が説明されてからは、恐怖描写は減って行ったし、既定路線超えず。かといって人間ドラマが濃くなった感じもなく、、、なんなんだ?何したいんだ?
CGも荒いし、どこに良さを見い出せば良いか分からない作品でした。
ジャパニーズホラーがウケたあの頃からハリウッドは進化していて、技術が上がった他アジア諸国もレベルアップしている。
あぐらをかいていたなんて言わないけど、このままでは邦画で期待できる作品は出てこないんじゃないかとすら思える。