スギノイチ

黒いダイスが俺を呼ぶのスギノイチのレビュー・感想・評価

黒いダイスが俺を呼ぶ(1964年製作の映画)
3.1
前作『さすらいの賭博師』はかなり地に足のついたギャンブラー映画だったが、2作目になってやくざ映画の比重が高くなった。
後半におまけ程度のダイス対決があるだけで、必然性も薄い。
それでもシリーズ後半に比べると人間ドラマも丁寧に描写されていて、和田光司に殴られた小林旭の手当(おそらく傷の原因が自分の息子であることを察して)をしながら涙ぐむ伊藤雄之助の名演が心に残る。

終盤、突如銃撃戦が始まって以降はいつもの大味な日活アクションになってしまうが、ここの小林旭の危険スタントが凄い。
鉄塔に登ったところに火をつけられ(明らかに火量が多いが、案の定スタッフのミスだとか)、塔の倒壊と同時に天辺からジャンプし、そのまま電線に捕まって隣の小屋上空まで這って移動、小屋の屋根に飛び降りると小屋は重みで潰れる…という超危険スタント。
それまでの映画のトーンから明らかに浮いているし、せっかくのアクションなのに相変わらず淡白なロングショットで撮っていて勿体無いが、一見の価値あり。
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