ぽち

パンチ・レディのぽちのレビュー・感想・評価

パンチ・レディ(2007年製作の映画)
2.0
これだけおいしい設定で、ここまでつまらなくできるのは逆にすごい、って作品。

カラーが統一されていないことが違和感。
ハードなDVから臭い館長のギャグでラストのお涙頂戴。

リングで対決に持って行きたかったのだろうが、これがすべてのマイナスとなった。
いくらなんでもチャンピオンに数か月練習しただけの主婦が勝てるわけがない。

映画は夢物語としても、その勝てる理由をつけるのが盛り上がりにも絶対必要だが、そこをパスして根性論に持って行ったのは安直すぎる。
これぐらいなら普通のDV亭主をやっつけるために始めたトレーニングで、女性格闘家のチャンピオンになっちゃった的なストーリーの方が盛り上がったのではないだろうか。

ヒロインがオドオドしたキャラから変わっていく過程が無いのもおいしい要素を捨てているようなもの。いきなりリング上で強くなってしまうのがダメ。

そして韓国作品でよく目にする「下品すぎるギャグ」。普通は糞尿関係が多いが今作では「臭い」。
昨今の人々の臭いに関する敏感さは異常と言っていいぐらいだが、それを差し引いてみても「車に乗れないほどの悪臭」ってのはやりすぎ。
どんな良い人でもこの一例で近づきたくなくなる。結果として全く感情移入が出来ないキャラとなってしまった。

基本アイディアは良かったのに全く活かせなかった作品。
見所は、若くして亡くなってしまった故ソルリのブサカワ顔ぐらいだろう。


余談。
コメディに振るなら上記のように「女格闘家チャンピオン」。笑いをとれるものになりそう。

で、個人的にはシリアスDV物語にすればかなり良い作品となったのではと思っている。
リングの上で死ぬことで、日ごろのDVに対するメッセージとするぐらいの壮絶な最後が良かったのでは。

それかお得意のパクリで、全身麻痺の状態となり一生寝たきりになり、死を願うが・・・・。

もちろん題名は「ミリオンダラー・パンチ・レディ」。
ぽち

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