パルパティーン

オットーという男のパルパティーンのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
4.8
公開初日に見てきた。久しぶりに映画館でほっぺをプルプルさせながら泣いた。これは涙活映画の1つとしてもいい作品であると確信した。

妻に先立たれ彼女の元に行こうと色々模索するが運がよくなかなかうまくいかない。それは彼女がくれた「幸運の銀貨」のおかげかなと思っている。そして、猫も彼女の生まれ変わりなのではないかなと思ってしまう。ご近所さんや猫に好かれずっと隔てていたATフィールドが崩れていく話である。

ご近所付き合いやリアルなコミュニティから離れていき孤立していく。この描き方がすごくリアルだった。人と人の出会いというのは本当に素晴らしいものなんだなと教えてくれた。見ていてふと思ったのは自分は周りに助けられているが、自分は誰かに対してgiveできているのかなと。なんもできていないような気がするし、オットーのいうバカモノなのかもしれない。自分の存在価値があるのかどうかと考えてしまった。

とあるシーンで現代だなーと感じたことがあった。それを通じていいこともあるが、行動にでるといったことを現代の若者はしないんだなと実感した。

普段からしている日課やルーティーンを周りが知っているということがどれだけ大切なのかを教えてくれた。些細な変化に気づいてくれるご近所さんがいると頼もしい。
それも普段からどれだけ関わってきたかによる。あの夫妻がどれだけオットーの心を広げたか。オットーが羨ましくも思う。

最後はどうなるかわかっていたけど、最後の結末に向かうための身辺整理をしているところから泣きそうになったが結果、ダムが崩壊した。人の心の温かさを感じた。自分から遠ざけていたが心の温かさは人を変える。この映画を見れてよかった。


2023年24本目