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オットーという男のsymaxのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
3.7
"妻に会うまでは暗闇だった…妻が光をくれた…妻が全てだった…"

愛する妻と仕事を失い、人生を諦めたオットー…

電気もガスも電話も止めた…そして天井から吊り下げたロープ…やっと妻の元に行ける…だがそれは車の衝突音で妨げられる…向かいに越して来たトミーとマリソネル、そしてその子供達…新しい住民との交流の中で、"オットーという男"の人生が変わっていく…

"幸せなひとりぼっち"のハリウッド・リメイクは、オリジナルとはまた違って、実にハリウッドらしくエモーショナルな作りで、やっぱりさめざめと泣けて来ます。

毎日、早朝から街を見回り、あーだこーだと嫌味を毒づく頑固者のオットーの心の奥底にあるものは、どうすることもできない孤独…そして寂しさ…耐えられなくなったオットーは、あの手この手と自らの人生を終わらせようとしますが、その都度、オットーとは真逆の性格で何かと絡んでくるマリソネルとの隣人以上、家族未満な関わり合いをする事で、オットーの気持ちが徐々に前に向かっていきます。

もはや安定の演技力であるトム・ハンクスを中心に芸達者な俳優人が脇を固め、安心と安定感に溢れた優しい作品となっています。

私的には、オリジナルの方が出来が良いと感じましたが、だからといって本作がダメという訳でありません。

妻の死によって拗れてしまった"オットーという男"が本来持っていた優しさや心の大きさが徐々に蘇ってくる様を丁寧にエピソードを展開する事によって魅せてくれます。

やはりトム・ハンクスの存在感が際立つ作品なのでは?

でも…今作でトム・ハンクスを超える演技力を見せてくれるのは…あのノラ猫ちゃんなのでは?…猫好きな方必見だと思います…
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