ロアー

オットーという男のロアーのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
3.7
最近のハリウッドには逆に少ない、ほんのりセンチメンタルを孕んだ正統派の良いお話でした。そこまで突拍子のないことが起きる訳ではないものの、どこか「フォレスト・ガンプ」のような後味。
オリジナルの「幸せなひとりぼっち」は未見だからそのうち観るとして、この映画のリメイクを強く望んだというトム・ハンクスの人柄にも感銘を受けて、優しい気持ちがふわっと胸に浮かんできました。

強い正義感を持っているせいで、人に厳しく当たってしまうオットー。
でも、だからこそ困っている人を決して放ってはおけない、実は誰よりも優しい心を持っている男。彼の心が悲しみで凍ってしまったとしても、本当の嫌われ者ではないことは街の人々のオットーに対する接し方からも観てとれて、切なくも温かい気持ちになりました。

向かいに越してきて、オットーの人生を引っ掻きまわすことになったマリソルの家族もすごく良かった。こう言う出会いや人との関わりってホントかけがえのないものだよね。
若い頃のオットーを演じたトム・ハンクスの息子トルーマン・ハンクスも、本業は役者じゃないそうだけど、素朴な雰囲気がすごく絶妙でこれだけで役者業引退するにはもったいないくらいでした。

ついつい映画には新しい刺激を求めてしまいがちだけど、たまにはいいよねこういう映画。心が洗われました。

ところで、今日午前中に映画館に行こうとしたけどグダグダで準備し遅れて電車にギリギリ間に合わず一旦帰宅(田舎なので1時間に1本しか電車がない)、まあ次の電車でも予告が流れてるうちに間に合うから〜ともう一回駅に行ったら今度はスマホを忘れたことに気づき、また雨の中帰宅。3回目の正直でやっと映画館に行けたんだけど、ここまでくるとオットーみたいに何らかの力が映画館に行くのを邪魔したのかな?って思っちゃって・・・もしかして、おばあちゃん?(ただの自分のうっかりだろうがよ)。
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