Edie

オットーという男のEdieのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
4.5
スウェーデン人作家フレデリックバックマンのベストセラーが原作のスウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』のリメイク。こちらは未見、未読。パートナーと2人で鑑賞。

当の本人もめちゃくちゃフレンドリーでいい人で有名なトムハンクスが、これまでのイメージとは真逆の頑固じいさんオットーを演じてます。ですが、さすがはトムハンクス、堅物頑固オヤジもめちゃくちゃ上手い。彼の演技の底力も感じられる一作となっています。(若かれしオットーが、トムハンクスに似てる、と思ったら、実の息子でした笑)

ストーリーは、さすがベストセラーだけあり、とても良くできていました。亡き妻の後を追いたい主人公と、それを邪魔する様々な出来事、オットーと亡き妻の若かれし頃のエピソードが絶妙に交差しながら進む構成が非常にうまく、彼の行動全てが妻への想いが起点になっていると分かるので、溢れる愛に終始ウルウル。

人生折り返しに近いので、最愛の人との死別をどう克服し、前に進んでいくかについてもとても考えさせられました。私も、あんな風に1人になっても人の優しさに触れ、社会と関わりながら最後を迎えられたら理想的だな、と。

個人的に面白かったのが、オットーが私のパートナーにそっくりだったこと。彼は私より先に50代になり、最近頑固ジジイ化が著しいのですが、その潔癖ぎみな几帳面さや頑固っぷり、何かにつけて語尾に”idiot”と付ける口調まで、オットーそっくりで、冒頭から未来の彼を見ているようで笑いました。特におかしかったのが、新車にメキシコ人の隣人マリソルと子供を乗せる時にバックシートに新聞紙を敷く細かい演出。

彼は雨の日はもちろん、アウトドアから帰る日など、車が汚れるシチュエーションでは絶対バスタオル、床にはペーパータオルを敷くので、ほんと彼の老後を見ているようで可笑しくて仕方ありませんでした笑 
遺書の、”ボクはあまりお金も使わなかったので、”は彼そのものだし、遺産の分配について”——-,because you’re not idiot “って書きそうと笑 

彼もボクみたい、息子に見せなきゃ、と爆笑してました笑

彼の両親に薦めたら、すでに小説を読んでました。

大抵オリジナルの方がよくできているので、スウェーデン版も気になるところ。

日本版も作ったら面白そうだし、舞台劇にも合う内容だと思いました。日本ならオヤジ役は誰でしょうね笑

ほっこりしたい時にぴったりの映画。
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