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オットーという男のhibarishのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
1.9
感動系映画。日本ではこういう「トム・ハンクス出てるし感動系だから」ってテキトーに評価高くなっちゃうけど(このサイトでも4点超えw)、もちろん海外では酷評も多い。というか酷評だらけ。
そもそもなんか富裕層向け映画ぽいし、内容も薄っぺらいから貧困層には特に評価低いんじゃないかな。原作との比較は知らんけど。

個人的にも、感動させよう感動させようという演出やエピソードが過剰と感じたし、もっと淡々と時間が進んでいく方がもーっと良かったかな。

で、物語は新しい隣人との関係で映画は進んでいくんだけど、オットーじゃなくて、この隣人の女性マリソルのキャラが強くて結局主人公そっちなんじゃねっていう。

悪いヤンキーが良い事したら褒められる、みたいな、といえば分かりやすいだろうか。
見てる方には意地悪爺さんのオットーがこういう風に写ってしまうと思うんだけど。みんなトム・ハンクス補正かかってない?最期までクソジジイだよこんなの。

制作側も多少はそれを自覚しているのか、映画内でもオットーの良い面を後半なんとかフォローしていくんだけど、あっちの国の事情わからんせいもあってか、それらの後付けフォローを見てても「フーンあっそ」になる。
結局自殺できなかったのが「偶然でしかない」、というところもご都合展開でしかないし。造り手のエゴだよそれは。

むしろマリソルのバックグラウンドもっともっと掘り下げて欲しかったわ。聖人過ぎるし。
ある程度設定もありそうだし(学がある以上のね)、やっぱオットーを食ってしまうので編集でカットされた感も否めない。

なので、終わってみればオットーありがとうじゃなくて、マリソルの方にありがとうしたくなる映画。
って考えるとマリソルに感情移入する人からは評価低くなるね、そりゃ。男に都合良すぎだよこの映画。あちらの映画製作の体質も垣間見えちゃうね。
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