Avayette25

オットーという男のAvayette25のネタバレレビュー・内容・結末

オットーという男(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

町内イチ口うるさく
いつもご機嫌斜め
オットー・アンダーソン。
鉄鋼会社を定年退職。

阿呆な店員。
ゴミの分別が出来ない人間達。
自転車置き場に停めていない青年。
ミラーに掛ける用の駐車許可証を
車の中に閉まっている。
またポケットに閉まっていたり。
人前で大きく股を広げるランニングマン。
綺麗に整備された芝生の上に轍を残す車。
近所の物件を次々乗っ取ろうとする
ダイ&メリカ不動産。
(ダイイングアメリカのような嫌な語感)
家の前に小便する犬。
(証拠がないからとスカす飼い主)
注意してもどかない猫。
失礼な人員配置をする社員達に
祝われても嬉しくない。
また人の顔の絵をわざとらしく
無神経に切り裂いたケーキ。
壊滅的に下手くそな運転。
私道に停める配達トラック。
人かと思えばロボット音声の電話。
アルビンレンチではなく
アレンレンチ(六角、アーレンキー)。

オットーにとって嫌気が指す
周囲の人間や物事の数々。

首吊り自殺しようとしていた所
派手に大きなノック。
隣人マリソル。
手料理を持って来てくれた。
再開したが、
ヤワなフックで天井から崩れ落ち
自死に失敗。

〇ソーニャとの出会いを振り返る

オットー
肥大型心筋症 遺伝。
軍隊も行けなかった過去。

女性が落とした本を届ける為に
別の列車に乗り込むオットー。
ソーニャおっちょこちょい。
オットーは本当の事言わず。臆病。

お金が無さそうな素振りのオットー
恐らくあくまでオットーは
紙幣は持っているよねという体で
丁度小銭を持ってると優しいソーニャ。

1964年発行の純銀硬貨
幸運のコイン。

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オットーは色々詳しく
住民によく相談されたり聞かれる。
苛苛しながらも
見ていられなくて結局手伝ってあげたり
対処してあげるオットー。

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次は車内で自殺しようとするが
ソーニャとの過去をまた思い出す。

マリソルに呼ばれ中止する。

次は列車飛びこみしようとするが
逆に線路に落ちてしまった人を助ける。
英雄扱い。

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家庭の内外で問題を抱える子達
ソーニャと交流し
シェイクスピア等も読むように。

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子守りを頼まれ、
壊れた食洗機も黙って治してあげた。

運転が苦手だというマリソルに
運転を教えてあげるオットー。
君は(本当の意味で)馬鹿じゃないだろ
簡単なはずさと。

SNSリポーターを車庫に閉じ込めるの草

ソーニャは自分の人生の全てだったと。
彼女が死んだ今もう何もないと。

ショットガンで自殺を試みる。

誰かが家に訪れる。
泊めて欲しいというマルコム。
うちはホテルかと言いながら
何があったと
ちゃんと背景を聞くオットー。
ソーニャの元教え子。
トランスジェンダー。
ソーニャが男の名前で呼んでくれた。
他の先生にも良い影響を与えた。

やはり随所に優しさや責任感が溢れている。

ジミーより、
ルーベンがダイ&メリカによって
介護施設に連れて行かれるとの事。
話をつけたのは息子クリス。
アニータがパーキンソン病と知り
ダイ&メリカが動いた。
クリスがアニータの成年後見人に。

病気の件、
アニータもルーベンも
オットー達には黙っていた。
余計な心配を掛けたくないからと。

マリソル達の
助けを借りようとするオットー。
しかし断られる。

マリソルは死ぬほど
オットーの事を心配しながら
外でずっと待っていた。

「あなたにとってはバカモンでも
想ってくれる人がいることは幸せなのよ。」

自分の問題に囚われていて
他人周りの事を考えられていなかった
と深い反省を伝えるオットーの姿。

肥大型心筋症の進行により
部屋で亡くなっていたオットー。
どこか綺麗な亡くなり方。
マリソル達にも遺書。

心臓(ハート)が大きくなっていく症状。
それはどこかオットーの生き様に重なる。

沢山の不満を抱えながらも
困っている人間を放っておけない
オットーの責任感や本質的優しさ
人柄が滲み出ていた。
自然と周囲に頼られる。
馬鹿だと思う人間には自ら教えたり、
聞かれたら真摯に詳細に答える。
子供にも優しく好かれる。
ただ曲がったことや
筋が通っていないことが嫌い。

不満を独り言のように吐露ばかりしたり
自分の中で爆発させていたら
マリソルのような
善意ある人間の声にも
気付けなくなるということ。
当たり前ではない存在の有難み。

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終盤近くまで
バスの事故でソーニャは
若くして亡くなったと思っていたが
終盤にサラッと
半年前に癌で亡くなったとの話だった。
(そこまでにも話していたかもしれないが
印象が薄かった。
比較的若いマルコムの元先生という
整合性はややスルーしていたが。)
過去の回想も
ずっと若いソーニャが出てきていたので。

バスの事故のやや強調より、
半年前まで生きていた
最近までのソーニャとのやり取りや
彼女の実際の人柄なども
具体的に描かれていれば
より深み等が出ていたのかなとは感じた。

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アブエロ
=スペイン語「おじいさん」
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