ぶみ

禁じられた遊びのぶみのレビュー・感想・評価

禁じられた遊び(2023年製作の映画)
2.0
見ぃ〜つけた。

清水カルマが上梓した同名小説を、中田秀夫監督、橋本環奈、重岡大毅主演により映像化したホラー。
交通事故で妻を亡くした一家において巻き起こる不可解な出来事を描く。
原作は未読。
主人公となる伊原直人を重岡、妻・美雪をファーストサマーウイカ、直人の息子・春翔を正垣湊都、直人の元同僚で映像ディレクターの倉沢比呂子を橋本が演じているほか、堀田真由、倉悠貴、猪塚健太、新納慎也、MEGUMI、清水ミチコ、シソンヌの長谷川忍、諏訪太朗等が登場。
物語は、美雪を交通事故で亡くした以降、美雪の復活を信じる春翔が、庭先で「エロイムエッサイム」なる呪文を唱え始めたことをきっかけに、伊原一家や、かつて直人に好意を抱いていた比呂子の周辺で起こる奇妙な出来事が描かれるのだが、冒頭、明らかに光の当たり方が不自然なセット感溢れる伊原家のシーンで萎えたものの、『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』や『“それ”がいる森』等、時折やっちまった作品を登場させる中田監督にしては、どちらかと言えば本作品は当たりな仕上がり。
特に、物語の鍵を握る美雪を演じたファーストサマーウイカは、その透き通るような肌の白さや、どことなく、異世界感を感じさせる佇まいはハマり役と言えるもの。
反面、ホラー作品への出演が多い橋本については、相変わらず、普通の顔か、目を見開いて顔の右半分を吊り上げた驚きの顔の二つしか演技のバリエーションがないことを露呈してしまっており、先日観た瀬々敬久監督『春に散る』では好演していただけに、そろそろホラーを卒業させてもよいのではと感じた次第。
相変わらずツッコミどころは多々あれど、あくまでも「監督にしては」という枕詞がつくことを前提としたならば、比較的手堅くまとめられた安定の中田クオリティであるとともに、MEGUMIや清水ミチコ、長谷川忍の使い方は、もはやコメディでしかない一作。

この泥棒猫が。

※本作品の内容とは直接関係ない話を一つ。
上映を開始して、10分ほど経過した頃、60代と思しき夫婦が入場し、私の少し後ろに着席。
すると、新納慎也演じる比呂子の上司がドアから覗いているシーンで、妻の方が「何これ」の一言。
以降、ホラー的な描写があるたびに、何を言っているのかよく聞き取れなかったものの、一人ブツブツと文句を発しており、途中からは、それに対して夫が反応して会話をし出した始末。
その雰囲気から察するに、多分夫が本作品を観たくて妻を誘ったものの、ホラーが苦手な妻はホラーだとは思っていなかった様子であり、それをグチグチと夫に言っていた模様。
うるさいなあと思いながら、本作品の展開そのものよりも、夫婦の行く末が気になっていたところ、結果、上映開始1時間ほどで退出して行った次第。
その後、あの二人が、どんな会話を繰り広げたのか知る由もないけれども、趣味の合わない人とは、時間を共有しないことをオススメします…。
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