叡福寺清子

禁じられた遊びの叡福寺清子のネタバレレビュー・内容・結末

禁じられた遊び(2023年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

不幸にも,佳作『デメデル号最期の後悔』視聴直後の鑑賞で,不出来がより鮮やかになってしまった本作.インドネシアの緩めホラーと思って視聴したら,少しは評価のしようがあったかもしれませんが,如何せん真っ当に観ると失笑しか出て来ませんですわぁ.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.

デメデル号はそのキャラクター造形が秀逸でしたが,本作のそれは真逆.キャスティングが最優先されたが故に,現実感乏しい人物が出来上がりました、とさ.その代表が橋本環奈氏.体当たり演技で高評価されることが多い氏ですが,本作は明らかにミスキャスト.もともと童顔な氏に7年前のOL時代をフラッシュバックさせるのは,どう考えても蛮勇でしょう.もっとも重岡大毅氏もフラッシュバック時と現在の顔が全く一緒なんですがね.こういうのは年齢を感じさせるメイク処理さえすりゃ・・・あぁ,でも橋本環奈氏を老けさせるのは事務所的にNGなのかなぁ.これまでのキャリア考えたら,そんな事もない気がするんですがねぇ.
そんなキャスティングであっても,刮目する方が二名おりまして,その一人が霊媒師の中の人シソンヌ長谷川さん.全身成金趣味かと思えば,ちゃんとお祓いする,でも結局ヘタレる.そんな多重造形はキラリと光っていました,そもそも声がいい.御真言を唱える声は聴き惚れました.そしてもう一人がファーストサマーウイカさん.黒髪前髪パッツン絶対呪うガールが嵌まるとは思いませんでした.でも,この女ヤバいオーラは評価されるべきだし、何よりも生尻!あれファッサマの尻ですよね!!ボディダブルなんかじゃ,ございませんですよねぇ.綺麗な尻でした.でも、そこまでやっても本作じゃぁあんまし報われないんだよなぁ.
あと橋本環奈氏でいえば喫煙シーン.原作だとなんらかの意味があったり,アクセントになったりしたんでしょうけど,本作の場合,タバコを咥えるところまではありましたが,結局喫煙行為はありませんでした.アレはいったいなんだったのでしょう.

長谷川霊媒師の「一度死んで生き返ったものが1番怖い」なんて台詞も露骨すぎでミスリードされる視聴者なんて,群馬県の未だに鳥葬の風習が残る未開人くらいじゃないですか.サイキックパワーに満ち溢れ,祟り癖があるような人物に対して,「一度死んで生き返ったものが1番怖い」なんて言わないでしょうよ,普通.存命中も十分に怖いっちゅーねん.まぁそれくらいにファッサマはインパクトあったって事にしておきましょう.

なお,原作は続編あるようですけど・・・映画のほうは・・・やめたほうがいいよなぁ.
でもどこでこんな差が出来ちゃったんでしょう.『呪詛』とか『哭悲』とか『紅い服の少女』とか『女神の継承』と言った佳作が次々と生まれるアジアンホラー界隈とJホラー.忌怪島にしたってアイデアは見るべきものがあったのに全体通すとアレ?って感じですしお寿司.もっとも,新作が公開されたら,また観ちゃうんでしょうけどねぇ.