現在75歳のパトリス・ルコント監督によるヒューマンミステリー。
ジョルジュ・シムノンによる、100篇以上あるというメグレ警部が登場する推理小説シリーズの中の1作（同名タイトル）が原作。
ある夜、身元不明の若い女性の刺殺体が発見される。
初老のメグレ警部（ジェラール・ドパルデュー）は彼女が着ていたエレガントなドレスを手がかりに捜査を始める。
街で万引をしようとしていた女性を見かけたメグレは、空腹そうな彼女の連れ食堂へ。
ベティと名乗る彼女は、かつて製靴業で栄えたロマン＝シュル＝イゼールを飛び出し、パリに自由と夢を求めて出てきたが、うまくやれていないようだ。
ベティに、殺された女性（ルイーズという名と判る）とどこか似たものを感じたメグレは、二人の人生をつなぎ合わせるように捜査を進めていく。。
ルイーズ役のClara Antoonsとベティ役のジャド・ラベスト（Jade Labeste）が魅力的。
シックでノワールなムードに、枯れたぽっこり体型のドパルデューの味わいがいい。
犯人探しのミステリーを楽しむというより、メグレが亡くなったルイーズとベティいう二人の若い女性の人生を想う、哀愁が沁みる読後感でした。
予告編
https://youtu.be/E2H_PCeFrqk
