魔導ネコ

オフトラック ~人生ただいま迷走中~の魔導ネコのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

部活の先輩が紹介していたので視聴。

 本作品のテーマとなるヴァーサロペットはスウェーデンのセーレンからスタートし、90kmもの距離の果てにあるモーラをゴールとするクロスカントリースキーの大会。世界35ヵ国以上から5万人もの参加者が押し寄せている。

 スウェーデンがデンマーク領だった1521年、貴族のグスタフ・ヴァーサが独立を目指し、デンマーク支配に反対の色が特に強かったダーラナ地方の農民の協力を求めるも失敗。それに加えてデンマーク兵に追われたため、スキーでセーレンまで87kmもの距離を滑り脱走した。その後、「ストックホルム血浴」というスウェーデン貴族の大量虐殺事件を耳にしたダーラナの農民が独立運動に協力し、ヴァーサの反乱により独立を果たしたという歴史がある。
この事件の400年後にあたる1922年に事件を記念して始まった大会である。


タイトルの「オフトラック」とは「脱線」の意味。それと同時に大会中、バンフライ(前走者を追い抜かすためにレーンから出るよう指示する事)の合図としても使われていたことから、人生の迷走とスキーのダブルミーニングになっている。

勝ち負けに固執した成れの果てやレースを途中で諦める選手の姿が汚く描かれている部分もあったが、それでも人の温かさが記憶に残る映画だった。
主人公の最後のゴールを大歓声で迎える人々、選手たちをさりげない気遣いで支える役員、大活躍のタクシードライバー。優しさに溢れている。

いつか参加してみたい。スウェーデンに行ってみたい。
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