コマミー

シモーヌ フランスに最も愛された政治家のコマミーのレビュー・感想・評価

4.2
【絶対に、屈さない】



※fans voice様のオンライン試写会での鑑賞





とても重厚で、素晴らしいものを見させてもらった。

"シモーヌ・ヴェイユ"…この映画の話が出るまで恥ずかしながらこの方の名前は知らなかったのだが、本作を観てこの女性の素晴らしさが充分伝わった。
"アウシュビッツ"を生き延び、"世の女性達や弱き者の人権"の為に闘い、女性としては"初の欧州議会議長"となった功績は本当に素晴らしいし、何よりも"人口妊娠中絶の合法化"の実現は、女性達にとって大きな一歩となった事だろう。
そんなシモーヌでも、男性社会からの圧力や罵声によって挫けそうになる事もある。そんな中でのパートナーである"アントワーヌ"のサポートはとてつもない力になっていたと思う。シモーヌはそんなサポーターにも恵まれているほど、愛された存在なのかもしれない。

シモーヌを演じた"エルザ・ジルベルスタイン"の役作りも含めた演技がとても素晴らしかった。若き頃を演じた"レベッカ・マルデール"の演技も美しいながらも、アウシュビッツでのシーンの演技は壮絶を極めていた。

全編を通して、壮絶な人生譚を見させてもらった。「エディット・ピアフ」「グレース・オブ・モナコ」と素晴らしい女性を描いてきた"オリヴィエ・ダアン"が、フランスで圧倒的人気を誇る彼女の"人生と功績"を描く意味…。
まさに彼女が成し遂げた事は、まさに"世界中が成し遂げるべき目標"であり、そして本作は今全人類が観るべき作品である事を示しているのではと感じた。

是非とも日本の皆さんにも多く観てほしいです。
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