ビリー・ワイルダー監督のコメディ映画。
女装を主題とした映画といえば『チャップリンの女装』なんかを思い出すのだが女装した主人公が普通に受け入れられてむしろ男からモテるというのはこの手のコメディの定番なのかもしれない。
『お熱いのがお好き』というタイトルは日本語だとニュアンスがわかりにくいが、直訳すると「熱いのが好きな人もいる」となり、人の好みはさまざまであるというくらいの意味であると思われる。
だから女装した主人公に求婚する大富豪が、男であることを伝えられても意に介さず「完全な人はいない」と答えるラストシーンは単なるギャグとしてのオチだけでなく、人の好みの多様性という作品の主題に沿った優れたシーンであると思う。
