Jun潤

それいけ!ゲートボールさくら組のJun潤のレビュー・感想・評価

3.9
2023.05.22

予告を見て気になった作品。
なんだかご高齢者向けな作品な気がしますが、予告にチラッと出たヤンキー風な本田望結ちゃん目当てに鑑賞です。
あとはハードボイルドな印象が強い藤竜也さんの、ちょいコミカルな演技見たさもあります。

妻に先立たれ、高校時代のラグビー部の友人の一人も亡くしてしまった織田桃次郎。
自身が経営するカレー屋がテレビで取り上げられたことをきっかけに、当時マネージャーだったサクラと再会する。
サクラは高齢者向けのデイケアセンター「桜ハウス」を経営していたが、自身にも認知症の症状が出ていた。
利用者の数も近くに大手の老人ホームができたことにより減少しており、銀行の融資も受けられないような状況に陥っていた。
そんなサクラと、サクラの娘・春子のために桃次郎は桜ハウスの人気向上を目指し、元ラグビー部の、菊男、モッチョ、ガッツ、ユーレイと共に「ゲートボールさくら組」を結成する。
しかし桜ハウスの土地を狙うゼネコンがさくら組の行手を阻もうとしていたー。

これは予想以上の良作でしたね!
60年以上経っても顔を思い出せて、会えば思い出話に花を咲かせて、老いた体を奮い立たせられるほどの友達というのが、本当に稀な存在だと思うんだけど、だからこそ本当に羨ましいというか、素敵な関係性だなと思いました。

認知症は『長いお別れ』、ということで、サクラは認知症になってしまい、この先もっと進行してしまうのかもしれませんが、記憶の底から高校時代の青春が甦ってきて、桃次郎たちの存在もあってその青春をもう一度追体験できるという、辛いだけではない一面が見られたような気がします。

本田望結演じる七海鬼コーチによる分かりやすいゲートボール講座。
小学生の頃に地区の催しで爺婆と一緒にしたことがあるようなないようなな感じですが、意外と奥が深いんですね。
それに大人から子供まで、力の強弱に関わらず誰もが楽しめるという謳い文句に偽り無しで、観てるこっちも熱くなれるほどでした。

ストーリー的にもコメディ的にもオーソドックスな感じで、登場人物たちの相関もわかりやすく、次に何が起こりそうなのか予想しながら楽しく観れましたし、多少コントチックでもおじいちゃんたちみんな真面目だからついつい面白くなってしまうんですよね。

ガッツの眼鏡の掛け方からもしやと思っていましたが、やはりモロボシ・ダンでしたか。

R.I.P.円楽師匠。
Jun潤

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