経営危機に陥った同級生のデイサービス会社を救済するため、高校時代のラグビー仲間で社内ゲートボールのチームを発足してPR活動と大会優勝を目指す、スポ根コメディ。
「ゲートボールをする→会社を立て直せる」という実証なき根拠の設定にツッコミ。ゲートボールって、老人を呼び込む1番の手段なの?余りにも話の組み立てが飛躍し過ぎている。しかも、発足したチームが認知される媒体がTVだけ。若年および中年のテレビ離れが進む昨今を考えれば、本作はシニア向けだったのだろうか?
演出がアニメ的またはマンガ的過ぎて舞台劇っぽくなっている。そのため、登場人物が放つ数々のギャグは、観てる側が気恥ずかしくなる。あと、ロケーションが少ない&狭いため、画に動きがない。画面がほぼ固定で教材動画のやり取りを見てるようである。なお、放つギャグの多くが子供騙しかセクハラなので、笑いに縁のない人以外を笑わせるのは厳しい。とある敵チームの強さに説得力があるのに、狡いことして寒いギャグになるのが惜しい。あと、そのチームのキャスト陣も教材動画のような演技になっている。
本田望結さんのキャラ付けが『テニプリ』のタカさんや『こち亀』の本田の劣化版。人格が変わるスイッチが不明で、人格ごとの振り切りが不足。
効果音の種類がYouTuberが使う音声ばかりでショボい。
CG合成は、画像を切り取って貼り付けた後が見えてる。
ゲートボールはバスケや野球のようにルールの認知度が低いので、ルール説明をして欲しい。ルールが分からない人にとって、点数以外で、どちらのチームが優勢か劣勢か把握できない。そのため、何がピンチで何がファインプレーなのか伝わらない。
歳を重ねても挑戦を忘れない心意気や藤竜也さんの枯れて渋みのある雰囲気は一級品。幽霊と称された影薄い男を演じた小倉一郎さんの位置どりが面白い。
難点が多い作品だが、これからも人生を謳歌したいと考えるシニア層には一見の価値あり。
⭐評価
脚本・ストーリー:⭐⭐⭐
演出・映像 :⭐⭐
登場人物・演技 :⭐⭐⭐
設定・世界観 :⭐⭐
星の総数 :計10個