このレビューはネタバレを含みます
私は時折発作的に映画が観たくなるのだが、昨晩もそれに襲われ「午前十時の映画祭なら何でもいいや」と急遽予約をとった。案内にピアフやカラヤンといった見知った名前があったこともあり何も調べずに観たので、(序盤は特に)何が何だか分からないままにただ群像劇を浴びている感覚はあった。あまり名前を呼び合わないこともあり人物の同定がいまいちできないまま、また家族関係も把握できないままにそれぞれの戦が終わり、人々が出会い別れる様を眺めていた。大きな時代の流れの中で、雑踏の中で、愛し合い哀しみを抱え、また愛し移ろってゆく姿が力強く美しく、勇気づけられた。舞踏と舞踊の描き方が面白かった。
最後のボレロは圧巻だった。舞踊も歌唱も。