Jun潤

東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-のJun潤のレビュー・感想・評価

4.0
2023.06.30

さてさて、待ちに待った後編が公開です。
つい先日場地くん役の永山絢斗のやらかしが発覚して公開も危ぶまれましたが、まずは今作が無事公開されて何よりです。
原作の展開や予告的に今作は“血のハロウィン”当日の抗争がメインで、『クローズ ZERO』にかつて心打たれた身としては大好物のヤンキーアクション作品の予感。
そこにどうドラマを盛り込むのか、そしてスッキリ終わらせるのかそれとも続編を匂わせるのか、色々と期待がモリモリです。

現代にて、ドラケンから“血のハロウィン”の顛末について聞き、衝撃を受ける武道。
これ以上タイムリープをすれば自分の命も危ぶまれる可能性があると知っていても、ヒナやアッくん、ドラケンやマイキーたちを救うために再び過去へ行く。
全員救う方法を模索しながらも、“血のハロウィン”は迫りつつあった。
場地や稀咲の真意も分からず、途方に暮れている武道に、千冬は場地と出会った頃の話をする。
そして、ついに“血のハロウィン”の火蓋が切って落とされるー。

これはエモい!エモすぎる!!
切なすぎるほどの友情にアツすぎるヤンキー大乱闘と、感情があっちへこっちへ忙しないだけでなく、テンション最高潮のまま開幕からクライマックスまで駆け抜けていましたね。

この実写シリーズ、キャストの演技や監督の演出力だけでなく、髙橋脚本によるキャラの掴み具合が素晴らしい。
大きなストーリーの流れの中で、キャラ同士の細かいやり取りやセリフなどで良い息抜きができるし、ストーリーやキャラクターの積み重ねを無駄にすることなくそのキャラらしく動いているような感じもまた今作の完成度を底上げしていました。

演技に関しては前編から引き続き吉沢亮と、今作では永山絢斗が良かったですね。
吉沢はアクション面のこれまでの経験に裏打ちされたような安心感のある動きや、相変わらずのカリスマ性溢れる表情だけでなく、時折見せる闇落ちしかけているような顔に、集会中であろうと自分の本音を打ち明けるために純粋な表情を見せるなど、原作で見れる全てのマイキーを演じていました。
永山絢斗は本当に惜しいことをしてしまった。
前編で描かれていた一虎の、歪んだ形で出てしまったマイキーへの一途な想いを自分を正当化するための自己愛とすると、場地くんはまさに自己犠牲の塊。
それも突然出てきたものではなく東卍結成に秘めた仲間に対する強い感情を背景に、自分の命をかけて仲間を守ろうとする難しい役どころを演じていましたね。

今作は原作の展開と異なる結末となっていましたね。
壱番隊隊長の座だけでなく場地くんから自分の命をかけて大切なものを守る生き様を受け継ぎ、未来の自分の幸せを犠牲にして大切な人を守り続けていくことを誓った。
一作目と今回の前後編を受けて、東卍メンバーとの関わりの中で大切なものを受け取った武道の生き様が原作とはまた違った形で描かれていました。

いやしかしなぁ、、原作の今後の展開を考えると、未来で起きる出来事を知っているというアドバンテージが無い武道が、まだ全貌が明らかになっていない綺咲の陰謀を打ち破ったり、聖夜決戦に関東事変を乗り越えたりすることができるのかという話。
未来のことを知らなくても、本当に大切なものを知っている武道ならなんとかしてくれるのかもと納得しようとしても、どうしてもどこかで詰む予感しかしないのが、、。
武道は未来でヒナといる自分も犠牲にしたわけですが、実写版『バクマン。』のような苦味の残る終わり方というか、かつて武道が生きていた時代を犠牲にしたというのも『僕だけがいない街』感もあるしで、他の実写邦画と同じような締め方をするのではなく潔く全部映像化してはいただけないだろうか、、。
しかしもし万が一続編制作が決まったとしても、まずは過去のナオトとの再会か八戒との邂逅から始まるのかと思うとどう始まるか想像がつきません。
一応原作最後の展開と照らし合わせると、武道のステータスや東卍メンバーの状況などは違うものの、忠実と言えば忠実なのかも。
せめて11月に開催されるイベントで披露されるという、原作では描かれなかった卍天黒大決戦をどうにか実写コンテンツにも落とし込んで欲しいという欲望が止まりませんね。
Jun潤

Jun潤