日本での封切り。劇場初公開作品。
日本でも多くの共感と連帯を生み、デモや社会問題に発展した#MeToo運動は、隣国韓国でも大きなうねりとなった。だが、著名人を中心に広がりを見せた#MeTooの一方で、運動から取りこぼされた課題、かき消されてしまった声はなかっただろうか。苛烈な#MeToo熱が冷めた2020~21年、韓国で撮影された本作は、市井の人びとによる「静かな抵抗」を映し出す。
久しぶりの映画館。
そして初めての福島フォーラムだったけど、
観て良かったと思える内容だった。
元々、韓国で、商業映画として作られた訳ではなかった本作が、色んな人の思いや手を通して韓国から日本、福島で上映が決まった経緯にも胸が熱くなったし、映画の内容にも考えさせられるものが沢山あった。
韓国の女子高で巻き起こった「スクールMeToo」は、韓国では凄く有名な話だったみたいだけど、日本でもニュースになったのかな。全然知らなかった。教師からの性的虐待が何世代にも渡り行われていた事実と、それを隠蔽しようとする学校側。一人の声では小さいけれど、現役高校生から始まり、近辺の人達や学校のOBのMeTooやサポートで一躍ムーヴメントとなった。
田舎に産まれ、幼い頃に性的虐待を受け、誰にも声を聞いてもらえず、誰にも助けてもらえず、長くトラウマに苦しんだ中年女性が、自己の尊厳を回復する為に苦しみながらも前を向き、歩き続け、行動して行く姿には胸が苦しくてたまらなくなった。
一番考えさせられたのは、芸術界におけるMeToo運動。自身が被害者でない場合でも、どうしたら当事者をサポート出来るのか、個人のサポートが広がって、社会でサポートして行けるといいな、私も知らないふり、関係ないというポジションではいたくないと強く思わされた。
女性の性的自己決定権をめぐる「GREY SEX」という作品も興味深かった。もう少し、知りたい、このことについて考えたいと思った。
映画も良かったんですが、その後に行われたトークイベントがとても良かった。
お茶の水女子大学の申琪榮教授のお話が凄く分かりやすくて、いつまでも聞いていたかった。政治学とジェンダーを専門にしている方。私もですが、皆さんめちゃくちゃ前のめりで聞いていました。今からでもお茶の水女子大学入りたいくらい、教授の授業を受けたくなりました。
とある方の質問の中の一言で、
こういった声を上げる行為は
「被害者の勇気で成り立っている」
という言葉が印象的に残ったなぁ。
被害者が、勇気を出して顔も名前も出して、
バッシングや誹謗中傷まで受けながら
戦っているのに、
加害者は守られているのが現実ですもんね。
尚更、自分には何が出来るのか考えさせられました。
#With You の精神でいたいです。
とても貴重な時間、体験でした。
他の場所でもこれから上映されるのかな。
されるといいな。
2022-275