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ゴジラ-1.0のMALPASOのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.3
映画『ゴジラ-1.0』

VFX・監督・脚本は山崎貴。
シリーズ37作目、国産実写作品30作目。『ジョーズ』と『インデペンデンス・デイ』『レイズ・ザ・タイタニック』を思い出す。

CGは素晴らしい。とはいえ、世界はもっとレベルが高いけど。ゴジラの造形や皮膚の感じとかいいんだけど、初めてゴジラが登場するシーン、吠えるシーンなど、外連味が無さ過ぎ。このあたり怪獣ゴジラとしてはすごく大事なんだけど。音楽のタイミングも違うと思う。
子どもとの件が回収されないままなのは気になり過ぎの高杉くん。

これまでの山崎監督作品の集大成的な感じで一番良いが、変わらず邦画あるあるは健在。相変わらず心は全て台詞で。「戦争が終わってない」とか何度も言い過ぎて、いい台詞も埋もれてしまう。漫画的な台詞になりがち。感動させようとするシーンでのあおりBGMが今回も気になる。

今回、戦後まもない時代設定にしたことでシリーズに新鮮味が出た。『続・三丁目の夕日』の冒頭、ミゼットが廃墟を走り、ゴジラが登場するシーンを観た時に、山崎監督が特撮をやればいいのにと思った。あのシーンは好き。

毎回、感動を煽る音楽が気になる山崎作品だけど、今回はタイミングも違うと思う箇所が多かった。
太平洋の水爆実験というゴジラ誕生の理由が描かれない。あれは何なのか?

「だれも死なせない」と言った後に、死を覚悟している風なやりとり、あきことの“父”の点ははっきり回収しないとダメかな。
あの人が生きてたも後半途中のほうがいいかと思う。

とはいえ、日本のCG技術がここまで上がっていることは素晴らしいと思う。ゴジラの背鰭が青く光っていき火炎を吐くシーンは美しい。

《ちょいネタバレ》
クライマックスでゴジラを迎え撃つのが、対戦中に試作機で活躍する事がなかった高速戦闘機・震電。同じく戦中に活躍する事のなかった主人公とダブるところがいい。

これは歴史改変モノ。なんなら戦中に現れてみてはどうでしょう?で、考えてみた。
オープニングは、ゴジラがドイツに出現。ヒトラーを踏み殺す。太平洋戦争真っ只中に、ゴジラが出現。戦艦武蔵の乗組員が主人公。怪獣の脅威に世界も一致団結して戦う。しかし、放射線を吐く巨大生物に人類はなす術がない。そこに完成直後の戦艦大和が登場!多くの兵士を犠牲に大爆発を起こしゴジラ諸共海に沈む。放射能の恐怖を知ったアメリカは原爆の開発を中止する。なんちゃって。
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