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ゴジラ-1.0のhabakariのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
2.5
初代ゴジラの逆輸入的再解釈。あるいは衒いなきスピルバーグの模倣。
ゴジラのオリジンについての言及はなく、ほとんど天変地異のようなものである。背景の無いゴジラに(時代背景や実在の人物への言及、第二次世界大戦モティーフをもって)戦争のイメージを貼り付け、ベトナム戦争映画以降のPTSD要素を絡める。結果的にゴジラ退治は個々人の戦争の終結に置き換わる。初代ゴジラの現代的再現と言えば聞こえはいいが、黒い雨やらキノコ雲を出さなきゃアクチュアリティを保てないものか。
『ジョーズ』や『宇宙戦争』を意識したパニック描写は気合が入っているが、ドラマパートのやる気のなさがひどい。セリフで心情を吐露させ、泣いて叫ばせとけば一丁あがり。
クライマックスの無音+スローモーションは確信犯だとしても、神木と青木の会話のフラッシュバックは流石に無い。観客を舐めきっている。
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