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ゴジラ-1.0のTinscowのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.1
ハリウッド版ゴジラは、その巨大さと存在感に恐怖したけど、今作のゴジラもそれにひけを取らない恐怖と絶望を感じた。
予告編の期待を裏切らない圧倒的な映像。
戦後復興中のニッポン、銀座・有楽町を破壊する様は、絶望以外なにものでもない。
復興の象徴でもある日劇(現・有楽町マリオン)を無惨に破壊させるなんて、監督はドSですよ!

シンゴジラは2016年当時の科学力を結集して、どうやってゴジラを倒すかのリアリティーが描かれていて、今作は、戦後の武力、現代よりも遥かに劣る科学力でどう倒すかのリアリティーと、それによって生まれる感動が胸に刺さる。

しっかりと時代背景に即したキャラクターの心情がわかりやすかったのは、神木隆之介をはじめとする役者陣の演技に魂が込められていたからだと思う。
大半のゴジラ映画を観たけど、初めて泣いた。

ゴジラをSF映画にせず、ヒューマンドラマにするとこうなる。
でもラストのラストに、ゴジラ映画お馴染みのアレがあって、あ、やっぱりこれゴジラ映画だったんだなと。
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