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ゴジラ-1.0のおのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

◼︎セルフコントロールできない災害の問題
今回のゴジラは人間の核実験や科学の発展の悪的なものから生み出される副産物としての化身ではない。今回はゴジラが自然災害的なモチーフとして、それは争うことのできない絶対的なものという震災以降の日本でしか描けない「災害」がモチーフになっていたと思う。

神木隆之介のあの絶望するシーンが災害というセルフコントロールできない圧倒的な力に対しての絶望が絵で表されてた。いやあ凄かった。僕らが共通して持っている災害というトラウマ、絶望を絵にしたい、残したいという気概を感じた。あのVFX、絵の力が山崎貴という作家の純度120%の瞬間だったな....

ただそれも他のストーリーでだいぶマイナスな感じになってしまってる.. 永遠のゼロの亡霊的な特攻隊というモチーフ。今回はどう描くかと思っていたら、「俺の戦争が終わってないんです」という自己の内省のエヴァンゲリオンのシンジくん的な描写なのに、全然内省的な映像表現や演出がないこと、また軍国主義に対しての曖昧な立場をとったゆるめの設計、さらには父になろうとした物語というとってつけたような家族物語(かつそれもかりそめのもの)で、伝えたいことは何かが全て薄味で正直ストーリーで人を感動させるという想像力よりかはすごい映像を作るというところ、(特に銀座戦など)に力をかけたんだなと思う。だからこそあの子役もとってつけた感じになってしまっていた。あそこに絆ほぼないだろっていう状態...

それに「生きていたいと言ってます。」ではなくなぜ、「生きたいと言っています。」なのか、(行きたいといっています、逝きたいといっています)(乗りたくなかった自分が今は戦場に行きたいと思ってる?&生きたいという方で読むのが正解?)など、セリフの強度のなさも気になった。

「僕の戦争を終わらす」というエヴァンゲリオンのシンジ君スタイルと、事故的に子供を預かり父になろうとする物語(かりそめの家族がどう繋がるかという問題)がどれもセルフコントロールできない何か(災害/自己/愛)みたいなところでくっつけたいのはわかるんですが、全てが中途半端(災害はゴジラと例のシーンによって強化されてるが)で大味な印象になっていたように思えます...

オールウェイズや永遠の0など、作家とタッグを組むときに山崎貴のVFXの凄さが120%になる。今作はやっぱりストーリーの強度がどうしても足りたいと感じる。でもみんな山崎貴にそう言うのは求めてないのかな...


◼︎以外とゴジラ早めに出てくんだけど...
ギャレスエドワードゴジラ、シンゴシラ、様々な平成ゴジラシリーズを見てきてそういった人間的な根源的な悪に起因した物語をどう克服していくか、人間としてどう結束できるか、そして何かわからぬものが襲ってくるあの感じ、ドキドキして煽りに煽り最後に出てくるゴジラ「ギュイーーーン!!!!」がすごい好きなんですが、今回は違ったアプローチ。

てかギュイーーーンじゃなかったよね?鳴き声。ギュ成分足りなすぎない?ゴーーーーンみたいな感じだったよね。発砲スチロールドライアイス擦って欲しかったな。

つまり今回のゴジラ全然かっこよくなっかたんですよね....自然災害のモチーフであるという部分ならわからなくないが...
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