このレビューはネタバレを含みます
シンゴジラと双璧をなすゴジラ、ここに爆誕。
戦後日本に追い討ちをかけるように蹂躙するゴジラは、まさに戦慄そのもの。
人間ドラマを削いだシンゴジラ。
人間ドラマを重視したゴジラ-1.0。
官制主導で挑んだシンゴジラ。
民間主導で挑んだゴジラ-1.0。
対抗手段があるはずなのに機能しなかったシンゴジラ。
対抗手段がないなか立ち向かったゴジラ-1.0。
天災そのもののシンゴジラ。
戦争そのもののゴジラ-1.0。
原発のメタファーと思わしきシンゴジラ。
敵国のメタファーと思わしきゴジラ-1.0。
同じゴジラ。でも違うゴジラ。
果たして主人公は、ゴジラに、敵国に、戦争に、どう立ち向かうのか。
そこに未来はあるのか。希望はあるのか。
生きて、抗え。
ゴジラに立ち向かう人間達に、絶望の淵に立たされた主人公に、残された唯一の手段が、彼らが唯一選んだ手段が、生きて抗う事だった。
元特攻兵の生きた抵抗。
自己矛盾を乗り越え、自らの戦争を終わらせに行く。
死の伴う戦争は否定しているが、生きて帰れば戦争は肯定されるかのような描き方は、なんともはっきりしない着地ではあったが、エンタメとしては十分見応えがあった。
個人的、ゴジラ5.0である。