ナミモト

ゴジラ-1.0のナミモトのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
2.5
永遠の0+三丁目の夕日+ゴジラ。
永遠の0の反省から導入した感あり。
脚本がちょっとだめかな。

品川に上陸するって先に知っていたのなら、早く疎開すればいいのに、割とぼんやり同じ街に居続けている…。
他の方も指摘されていましたが、「メッセージ」という言葉を使うことに違和感がありました。そこは手紙じゃない?電報が届く時代なのに…。

ゴジラ要素は、まぁよかった…ですが、シン・ゴジラを超えられてはないです。

過去作へのリスペクトには満ち満ちていましたが、ゴジラの新しさは感じられませんでした。こういうゴジラもありか!という発見には至らず…。

そして、登場人物が男ばかりなのも気になりました。

「国が何もしてくれないのであれば、民間でがんばろう!俺たち戦争で活躍してない後悔をここで晴らそう!生きてなんぼだ!」という意気込みは感じました。まず、生きるということは大事なことです。国であれど1人の人間の生殺与奪の自由を奪う権利は持っていません。生殺与奪の自由はその本人のみに与えられた権利です。国は国民一人一人の生命と自由を守り保証する立場にあります。本作のラスト、ゴジラの襲来という国の滅亡に関わる危機に対して、民間の自助努力でなんとかしてほしい、国は積極的に何もしない、という立場を国が取っていることに対しては嫌悪を感じました。それ、過去10数年の間で、自●党がやろうとしていたことと被ります。かつ、戦争から復員してきた元兵士が、自主的に意気揚々とゴジラ討伐作戦をやることを美化している(ように見える演出をしている)。そうした演出に対して、嫌悪感を覚えます。国や政府批判にすらなっていない。さらに、悪いことには国民一人一人の自助努力を称揚している。最悪です。舞台が戦後間も無くの日本でそういう時代だったんだ…という意見もあるかもしれませんが、舞台が前後の作品を今取り上げる意味を熟考すべきだろうと思います。「戦後あの時代は国民一人一人が日本の復興のために自助努力で歯を食いしばって踏ん張ってきた、あの美しい日本をもう一度取り戻そうではありませんか」という政治的なメッセージとリンクします。それは、最悪です。
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