このレビューはネタバレを含みます
シン・ゴジラとは違うゴジラ像、濃厚な人間ドラマを描いた本作は間違いなく傑作。
まさかゴジラで泣くことになるとは思わなかった。
明確に人を認識して襲ってくるゴジラというのは、今までありそうで実はなかった。
この辺はゴジラ・ザ・ライドを手がけた監督ならではの恐怖演出だろう。
第1作ゴジラが戦災のメタファーとして描かれたが、本作では戦争そのものとして捉えられる。敷島や橘の戦争はゴジラを倒すことで終わった…いや、彼らはなりふり構わず生きようとする戦後において、未だ死から逃れられずにいた。橘は脱出装置を組み込むことで、敷島はそれを作動させることで自ら彼らの戦争を終わらせたと言える。敷島の生還を聞いて涙する橘をみて、こちらの涙も止まらなかった。