Kitty

ゴジラ-1.0のKittyのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

初代ゴジラの雰囲気を大いに継承した、ゴジラ映画屈指の名作だと思う。

ゴジラが理屈の通じない道の怪物として描かれ、かつ情け容赦なくただただ人間を屠り続けるのは怪獣映画らしくてとても見応えがある。

主人公に関しては、ゴジラとの因縁の作り方、ラストの決戦の決意への心情の持って行き方が上手いと感じた。
観ているこちらの胃が痛くなるほどの逆境を主人公に突きつけ続ける展開も良い。
内で続いている終わらない戦争を、終わらせるための戦い。とても良い。

戦争を生き抜いて日常に戻った兵士たちが、あくまで生きるために対ゴジラの戦場に立ち向かう様も胸を熱くさせる。

主人公を支える吉岡秀隆、佐々木蔵之介、山田裕貴も、堅実な芝居をしていて非常に良かった。

ドラマの説得力が弱い。
出来事の連続とセリフで説明される心情描写のせいで、ドラマや心情の移り変わりや機微の描写がいまいち伝わってこない。いちいち説明しなくとも映像で伝わることをくどくどセリフにしている箇所や、登場人物が生きた人間の感じがせず、舞台装置としてこのセリフ喋ってるなという不自然さを感じた箇所がチラホラ。
特に橘は描写が少ないぶん、終盤の展開に違和感を覚えた。

最後の典子が特にだが、無理くり丸く収めたなぁという印象。
爆風で真っさらになった銀座を見ると、さすがに生き残るのは…と感じてしまう。
そこまでやらなくても希望を感じられる前向きな終わり方はきっとあったろうに。
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