yksijoki

ゴジラ-1.0のyksijokiのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.7
朝ドラ版永遠のゴジラ。
ゴジラをVFXで再構築しようという気概とそのゴジラ描写の素晴らしさは本当に最高級だった。特撮ゴジラへのリスペクトを残しながら粗さと凶暴さを非常に上手に表現していたと思う。ハリウッド版の大味で暗さのあるゴジラ描写よりも好きだった。

だからこその脚本の既定路線感が勿体無い。それぞれのキャラクターの深みがない設定と、意味不明な後悔と、大オチ丸わかりの伏線の引き方とが目立ってしまっていた。序盤の朝ドラシークエンスが長いのもいいんだけど時代設定を縛るならもう少しそこに対する大衆性をもたらしてほしかった。

個人的にはゴジラが人々に襲いかかり、人は逃げ惑い、街を破壊する、その狂気さ、そこに対してそんなゴジラを産んだのは戦禍の我々であるという矛盾さのカタルシスが見たいのでそこが少なかった部分が残念だった。ゴジラ登場シーンは5億点だっただけに。

俺の戦争が終わってない的なのも分からんでもないんだけど、とはいえ単独行動が過ぎる気がしてならなかった。イラチで勝手なキャラが目立ってしまって神木隆之介の根の人の良さと相まってキャラブレしてしまってた感。

完全にトムクルーズな浜辺美波は笑った。

キャスト★3.5
ストーリー★3.4
プロット★3.5
バイブス★3.6
演出★3.7
映像★4.2
音楽★3.8
全体★3.7
yksijoki

yksijoki