ゴジラゲドン。宇宙服のブルース・ウィルスが登場すれば拍手喝采だった。『君たちはどう生きるか』と同じ失敗。恐怖を煽るほど薄っぺらく、嘘っぽくなる。ゴジラは最小限の動きで破壊するから迫力が産まれる。初代ゴジラは胴長短足、すり足と鉄砲で破壊する力士の暗喩。だから愛せる。
浜辺美波が身代わりになるのも、愛してるなら神木を突き飛ばすのではなく、抱きかかえて押し倒すやろ。しかもオチが魁!!男塾やマッドマックスと同じ。令和になって、まだやってるの？
贖罪も後悔も説得力が無い。あんな恐竜、目の前にしたら腰抜けるの当たり前。特攻隊も他の隊員を描いていないからビビって逃げても、そりゃそうでしょ、で終わる。対立構造で描かないと苦悩が迫って来ない。
復讐のためにゴジラに突っ込む話のどこに感動がある？るろ剣の漫画で、なぜ神谷薫を殺されたと思った剣心が立ち上がったか？それを見習ってほしい。
映画はウソを見せるコンテンツだからこそ真に迫ってナンボ。日本人じゃないクリント・イーストウッドのほうが日本の戦時下を撮って心揺さぶるというパラドックス。
怪獣映画としてのエンタメを見せたいのか、戦時下の生き様を見せたいのか、その両方が中途半端で二刀流のどちらも折れた映画。
