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ゴジラ-1.0のmonochicaのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

戦争による甚大な被害の残る日本。戦後の復興に色目気づきビルなどが立ち始めた東京だったが、大怪獣ゴジラが出現したことにより街は再び廃墟と化す。


シンプルな登場人物(とゴジラ)の相関とエピソードの取捨選択により、入りやすいお話。絶対的な存在のゴジラと絶望感、それでも誰かが立ち向かわなければならないなど、わかりやすく楽しめる、ウケの良い娯楽作品。子連れでも楽しめる。ゴジラっ子として幼少期を過ごした私としてはその点すごくグッド。
ゴジラの造形も良かった。でっかくて歪で、真っ黒な鱗に錆みたいな白が飛んでるのも異形で恐ろしく、パワフルで無敵!
熱線の前準備で背びれが光ってガシャンガシャンするのは、初見でもゴジラファンでも「なんかわからんがヤバイ!」となる混乱が凄く良いし、一瞬で街が消し飛んでキノコ雲上がるのも原爆のメタファーな感じで怖い。
面白かった。

面白かった、良かった、というのは認めるのだけれども細かいところで凄く突っかかってくることが多いのもまた事実で、合わない人にはとことん合わずモヤモヤイライラする。

序盤の敷島と典子たちが一緒に暮らし始めるところはまぁ尺稼ぎに来てるのかなと思うくらいダイジェストにはなってるのだけれども、これがなんだかテンポ悪く子供ぐずりそうなくらいには長い。

からのゴジラが東京にきて破壊し尽くすシーンは本当に良かった。迫力や絶望感、すべてが再び無に帰した虚無。そして典子を失った敷島とゴジラに対する憎悪、咆哮。ここは満点あげたいくらい。

からの対策本部設置やその組織、準備とトントン拍子に進むけれどここも良し。
そして対ゴジラ作戦、海神作戦の決行。戦艦の前にもうゴジラがいて、まずい上陸が早すぎる!仕方ない作戦開始!とりあえず海に出るぞ!と、目前のゴジラどうするんだろうと思ったてたら、戦艦無視してゴジラがタンボのあたりに行ってたのはなんで?シーン飛んだ??と思ってしまった。山、家、畑、なんか見たことあって、ここ昔のゴジラのオマージュになってるのかな?わからん。

そんで作戦前に敷島が震電に爆弾積んでるの見てるから、あー海神作戦失敗するんだなと安易に想像できたのはなんだかな。
でもやっぱり海戦空戦全部良かった。
浮き輪ゴジラkawaii。

ここまできて、細かいところでツッコミどころ色々あったけれども全然いいじゃんゴジラマイナスワン!
……ラスト、いやラスト前のスミコさんのところに電報が来た時点で嫌な予感がしてたけれど、まさかの典子生存エンド。生きとったんかワレ!
この都合の良さのせいで、まるで人間の命には優先順位があって、モブなどのその他大勢の死は数字でしかなくいくらでも死に、重要で望まれる人間は大事にされるという戦争の嫌な部分を肯定するようなオチになっていないだろうか。生きねばじゃないのか。どんな命も大事なんじゃないのか。これでいいのかマイナスワン。

なんか色々書いたが、間違いなく面白い作品。
なんだけれども……という作品だった。
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