甲越

ゴジラ-1.0の甲越のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.1
ゴジラを主役とせずに、戦争を未消化なわだかまりとして抱える主人公の物語としたことがよかった。そして人々が敗戦から立ち上がり、やっと取り戻しかけた日常が、無惨にも破壊されていくシーンに漂う絶望感や虚無感が強く伝わってくる。そしてそれでも人々は災いに抗い、生き抜くことを選択し、行動するところに深く感じいることができた。それは東日本大震災など数々の国難に抗い、生きようと立ち上がっていく日本人の姿を表しているようにも思える。人は誰でもわだかまりや後悔など消化できないものを抱え苦しむが、それでもなんとかそれに踏ん切りをつけ、前に向かって生きるべきとの強いメッセージを感じた。
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