おにおに

ゴジラ-1.0のおにおにのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

MOVIX川口で鑑賞

ほんとうはこの映画は宗教上の理由でみる予定はなかったんです・・
というのは、この山崎貴って監督の映画作品をいくつかみたことがあるんですが、大っ嫌いなんですよ。
「永遠の0」「STAND BY MEドラえもん」「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」。
このFilmarksでも酷評してます。★1.0だ。

なのですが、このゴジラ-1.0はけっこう評判がよいみたいなんですよねぇ。
それにゴジラだし。ゴジラは子どものときから好きなんだよ・・この監督でさえなければ絶対にみるのに・・

ってな感じだったのですがそういうわけで見なければ気がすまなくなって覚悟して観にいってしまいました。

結果

めっちゃおもしろかったですww

以下、ネタバレ全開の感想を書くのでネタバレ防止機能をつかいます。


冒頭、島の凸凹の滑走路に零戦が着陸するところから・・すぐにゴジラが登場!
うおおおおお!ゴジラやあああああ!ってなるんですが小さいですよね?あれ、小さくない?とおもったらまだ幼獣だったのですねぇ。

なんどか書いてきてますが、私はゴジラは「最強で最凶」、地球人類を絶望に陥れる、容赦なく人間を殺戮し、破壊の限りを尽くす!
それも放射能の汚染をともなった!超超超極悪怪獣であってほしいとおもってるのですが、見事なゴジラでした!

まさに最強で最凶!!!

昔(今でもあるけど)、プラモデルで「ウォーターラインシリーズ」っていうのがありました。旧海軍の軍艦の1/700のモデルのやつ。
子どもの頃あれが好きでね、小学生には決して安くはなかったけどお小遣いを貯めて買ってつくって並べてね。
ファミコンが世に出る前、「ウォーゲーム」っていってね、サイコロとヘックスのボードゲームがあった。
「太平洋の覇者」とか「日本機動部隊」とかをよく遊んだよ。
旧海軍の軍艦はほとんど全部そらんじられるほどに覚えてただよ。

そういう子ども時代だったので、重巡「高雄」の主砲が轟音を発してゴジラに直撃弾をくらわすシーンはもう

うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

ってなった。なったよーー


そしてそして!特攻隊生き残りの主人公敷島(りゅうのすけ)が搭乗する機体は「震電」だよ!
VFXなんだけど、「震電」が飛行する姿を巨大スクリーン前から5列目どまん中で見られるとはああああああああああああああ!

うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

ってなった。なったよーーー!


東京湾から上陸して銀座を蹂躙するゴジラ。
音楽はあの!いかにもゴジラって感じのあの曲だ!ゴジラの鳴き声もあの鳴き声だ!
そして背中のヒレが青白く光り!こ、これはーーー!

「風の谷のナウシカ」の巨神兵もびっくりの放射能の咆哮!
そしてあれでしょ、これは原子爆弾のキノコ雲。爆風!そして黒い雨・・このあたりは複雑な気分ではあるがまぁ映画だわ。すごい!


重火器が全く効かない、こんな最強の怪獣をどうやって倒すのか?っておもうじゃん。その解もいい設定だったとおもいます。
少なくとも「シン・ゴジラ」よりはだいぶよかった。この時代の空想科学で思いつき、そして実行可能な方法で、かつ
「これなら倒せるかもしれないッッッ!」っておもえる方法だ!「北の国から」のひとやるやん!

旧海軍の生き残りたちの駆逐艦「雪風」「響」の完璧な操艦でゴジラは日本近海の海溝へ沈降そして浮上!
もむなしくゴジラもう一息!

のところでりゅうのすけー!っていう。

あのシーンもね。
整備士の橘(青木崇高)が「これは安全装置だ、突入の直前にひけ」って言ってたオレンジ色のチョークみたいなやつ?
あれはきっと敷島は「特攻で死ぬつもり」なんだけどあれは実は脱出装置で、それは敷島にはナイショで、敷島の意思に反して脱出できてしまいます!
っていうことになると思ってたけど違ったんですねー

敷島(りゅうのすけ)は自分の意思で脱出し生還したんですねー
その脚本もよかった。

脚本といえば今回はいろいろと出来がよかった。
近所のおばさん。最初は終戦直後を描いた日本映画によくある嫌なおばさん(「火垂るの墓」のおばさんみたいな)かとおもいきや、いいひとやん!

決死の大作戦、「強制はできない」っていうところで、「でも必ず死ぬわけじゃないんですよね?それなら戦時中よりましだ」っていってた。
くらのすけは「戦争にいったことがないというのはしあわせなことなんだ」っていってた。
整備士橘(青木崇高)は「かえってこい!」っていってた。

そういうのがぜんぶよかった。

ここ最近ずっと日本のこういう戦争を扱った映画におもってたことがあってね。
やたら悲壮感をかもしだして、なにかのために自分を犠牲にして散っていくことに対して酔ってるじゃん。
そしてその「空気感」を押し付けてるじゃん。(「反日」だ「愛国」だとかいって)
ネトウヨ史観っていいますかね。
あれがまじでほんとうに嫌いだったんですが、この映画はよかったよ。やればできるじゃんか山崎。

これはすごいおもった。


思いつくままに書いてみたけどまぁそんな感想です。

ひっかかったりツッコミたいところは一見そんなに致命的なのはなかったのですが。
振り返って冷静に考えてみると、やっぱりこんな最凶の大怪獣が都市を蹂躙して死者3万人とかの状況で、アメリカ軍がソ連に遠慮してなにもできないとか。
国連はおろか日本政府もGHQもなにもしないっていうのは、まぁ設定としてありえないですよねぇ。

もっともそれを言い出すとこの映画が成り立たなくなってしまうので、そこは「映画だからいいんだよ!」ってところだと思いますが。

あ、最後にこれも書いておきたい。
子役がめっちゃよかったですね。「演じている」のではないとおもうけど神演技だったよ。
りゅうのすけも子役の頃はうまかったが(大河ドラマ「葵 徳川三代」で尾張義直の幼少期の五郎太丸を演じている=最近みた。大きくなったねぇ)
ほんとうによかった。

あとこれも。橋爪功さんはなんでいたのだろうw


いやあよかった。「いやあ、映画ってほんとうにいいものですね!」っていいたくなるくらいの、いい映画でした。

宗教上の理由でみれないところでしたが劇場で観れてよかったです。
★は「★-1.0になるかも・・」とおもっていましたが、いやいや2023年に観た映画の中でもトップ3には入れていい。

「シン・ゴジラ」よりもよかった!

★は4.7でお願いします!
おにおに

おにおに