マリオン

ゴジラ-1.0のマリオンのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.0
まさか山崎貴作品でこんなに驚かされるとは。海上から迫り来るゴジラとの海上チェイスシーンやすべてを焼き払う放射熱線シーンの絶望感など迫力あるVFXの数々に大興奮。『ジュラシック・パーク』や『ダンケルク』といった参照元がバレバレではあるものの、これまでの監督作で培ってきた技術を駆使してハリウッド超大作と遜色ない見事な映像に仕上げているのはすごいと思う。アカデミー視覚効果賞のショートリスト入りも納得である。

しかし、薄っぺらい人情ドラマと安っぽい演技は見ていられないレベルで苦痛。属性やシチュエーションだけ与えて繋いでいるようなチグハグさで、リアリティやドラマを作り上げるのには失敗している。また、分かりやすくて口当たりのいい感動や団結の名のもとに、戦争の悲惨さや切実な痛みがなかったことにされているようにも見えてしまう。所詮、戦後という時代の雰囲気やムードの中で無邪気に怪獣と軍艦で遊んでいただけだった。
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