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ゴジラ-1.0のbluebeanのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.5
事前情報なしで観に行ったのですが、まさかこんな時代設定とは。序盤からドラマ部分が長いなーと思っていたら、最後までドラマが中心でした。戦争を生き残った人間の葛藤を描き、ゴジラはその戦争の象徴として現れます。亡霊のような実態感のなさで、独特の怖さがありました。

1954年のゴジラが戦争の残り香をあくまで暗示するように見せ、ゴジラが英霊の象徴だとあくまで「解釈できる」レベルだったのに対し、本作はそれを正面からテーマとして描いた印象です。ゴジラを倒した瞬間のみんなの行動がそのテーマとリンクしていますが、初見だと違和感を感じそうです。ファンにとっては明らかに1作目のオマージュと分かり、腑に落ちるシーンになっています。

怪獣が暴れる映画を想像して観に行ったら、普通に最高級の人間ドラマを見せられてすごく感動するという意外性。これは1作目を除いて、今までのゴジラ映画には無かったかもしれません。

テクノロジーがない中でどうやってゴジラを倒すかというのも面白い所でした。ボロ船でジョーズみたいな戦い方をするところから、そのスケールだけを拡大したような最終作戦がたまらないです。

主人公機の先尾翼機がまたカッコいいのですが、それを見て熱くなってしまう感情と、開戦に向かう心理って近からずも遠からずだよなーと。
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