一夏

ゴジラ-1.0の一夏のネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

おもしろーい!!

細かいところは死ぬほど破綻してるんだけど笑、ゴジラ愛とテーマがアツくてほんと良い映画だった。

ゴジラ70周年て、ああゴジラは戦後すぐに生まれたキャラクターなのだと思うとハッとする。日本でしか生まれ得ないキャラクターだなと。こちらの声など全く届かない絶対悪。人の力など足元にも及ばない。戦争や自然災害のイメージだ。
また、災害の多い日本だからこそ、自然に対する畏怖や崇拝があり、ゴジラにもその色を感じた。
ゴジラがはちゃめちゃに暴れ回り咆哮を上げた後、神々しい音楽や光で演出される。
ああここの表現はなんと美しくそして悲惨で、日本的な表現なんだろう。

主人公死なないでくれと思う気持ちと、最強ゴジラが暴れ回っているところをまた早く観たいという気持ちが同居するなんて、思ってもみなかった。人間って複雑だ。ゴジラが暴れてるところは何故あんなに前のめりになれるのだろう。普段の破壊衝動を昇華してくれるからだろうか。人は多かれ少なかれ、何かを壊したいという欲求が潜んでいるのだろうか。ストレスが溜まっているから、発露として何かを破壊したい、けど現実世界ではそんなことはできないから、ゴジラの行動を観て痛快だと思うのか。単に、誰も何も敵わない最強の生き物に、ただただ魅了されているのか。


ゴジラ、ひいては戦争や災害といった無慈悲な絶望へのカウンターパンチは、死ぬことではなく、生きることなのだよと、かなりの熱量を持って語りかけてくれた映画だった。それがわざとらしすぎるときもあったけど、やはり最後パラシュートで生きて帰ってきてくれたのは希望だった。皆心のなかに戦争をもっている。それを終わらせるのは死ではない。きっと。

日本という国へのヘイトも愛も両方感じる不思議な映画でもあったなあ。

あとは、戦争は悪いもので絶対に繰り返してはいけないという観点と、戦艦や軍・戦闘機が純粋に格好いいという観点が両立するのにも考えさせられた。


佐々木蔵之介たちが役割はっきりしてる漫画キャラみたいだったのに、キャラに愛があってとっても可愛かった。これも日本的だなあと思った。
一夏

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