芥川クリスピンクリスピアーノ

ゴジラ-1.0の芥川クリスピンクリスピアーノのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

『ゴジラ』作品として通算30作品目となる今作品。二次大戦後の日本を舞台としており、初代ゴジラよりも前の時代設定となっている。

戦時中、特攻隊員であった主人公の敷島は死への恐怖から特攻機の故障と偽り、大戸島の整備場へ不時着する。
そこでゴジラの襲撃を受け、整備兵の橘から特攻機に付属していた20ミリ砲でゴジラを銃撃するよう頼まれるが、ゴジラへの恐怖心から何もすることが出来ず、敷島と橘以外、全滅してしまう。

霧島は二度、死への恐怖から逃れたことに苦悩し、自分を追い詰めていた。終戦後に、自分と同じく親を亡くした典子とその典子に見知らぬ人が託していったという赤ちゃんの明子と共に暮らす中、再びゴジラが現れ、東京に上陸した際に、典子は地上を更地化するほどの威力を持ったゴジラの攻撃を受けてしまった。これをきっかけに敷島は今まで目を逸らし続けた「死」、そして恐怖の根源であるゴジラと真剣に向き合うようになる。そしてその変化はゴジラ討伐のために集まった元軍人、つまり戦争のために命を捨てるも同然のような状況、時代の中で戦った者たちが、今度は未来を生きるため、次の時代も大切な者たちと過ごすために命を無駄にしない戦いをするようになっていく変化ともリンクして描かれている。

ただセリフ構成のせいか、所々、役者の演技に違和感を覚える箇所があった。演技が上手い人をキャスティングしているだけに少し残念に感じた。