志村蓉子

ゴジラ-1.0の志村蓉子のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.8
傑作でした。
戦後のあの状況にゴジラが現れるなんて踏んだり蹴ったり!可哀相すぎる!見たくない!と敬遠していましたが『第96回米アカデミー賞』にノミネートされたと知って「見ておいたほうがいいのかな?」と心が傾きました。権威になびく私…

この映画は、ゴジラという冠がなくても作品として成立するぐらい予想をはるかに越えた人間ドラマでした。
そのしっかりした基礎(人間ドラマ)の上に、ハイクオリティのVFXを駆使した重量感たっぷりのゴジラが仁王立ち。
背びれが青白く光りながら立ち上がる様子は、見る者の恐怖心を煽るのにとても効果的でカッコ良かったです。

時代設定も最適解。
なぜゴジラのような巨大生物が出現したのか、なぜ民間主導でそれに立ち向かわなければならないのか。
元特攻兵の敷島が、最後に何をどう選択してゴジラに立ち向かうのか。
そのすべての辻褄がみごとにリンクして、よりドラマ性の高いクライマックスへ昇華していったように思います。
スタンディングオベーションしたくなる気持ち、初めてわかりました。
もういちど劇場で見たいと思う作品です。
志村蓉子

志村蓉子