Charlie

ゴジラ-1.0のCharlieのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.5
2Dで観て面白かったので、4DXで2度目観てきました。

まず2Dの感想。
とにかく映画館で観てよかった。映像や音楽の迫力はもちろんだけれど、物語も予想以上によく練られており、戦争が人の心に残す傷をとても丁寧に描いていたので、お金を払って観に行く価値はありました。

本作は米国での興行収入も非常によかったということで、日本人が戦下戦後を描く作品には米国の反発が予想されるのに、どのように米国の、特に若い層に人気を博したのか、その理由が知りたかったので、観て腑に落ちました。

核の問題や戦争など、テーマは非常に重たいものですが、今の時代、現実に世界中で戦争だの紛争だのが起きて若い世代からその影響を感じる時代ですから、共感性が高い作品になっています。
主人公の苦悩も戦時中にとどまらず、非常に共感できるものです。自責の念ほど厄介なものはないと自分の人生を振り返っても感じますし、自分を許せないでいると、必要以上に自分を苦しめて人生を狂わせてしまうものなんですよね。神木くんが演じた敷島が本当に可哀想で気の毒で見ていて辛い気持ちになる。

というわけで、上記のような命題は国境を越えますから、米国人にもウケたのでしょう。

また、往年のゴジラで使われる曲を入れ込むタイミングがよく考えられていることに感心しましたし、核の影響かゴジラが追い詰められると背中や尾からヒレみたいな物が青く飛び出してくる映像も、あれには米国人たちも痺れたと思います。

街を破壊する、海を泳ぐ、船を壊すゴジラの映像と壊される物や逃げ惑う人たちの画も素晴らしくて、これをハリウッド版Godzillaの10分の1の予算で作ったのだから、オスカーの視覚効果賞を獲るよね、と納得でした。

私は日本のゴジラの映画を観たのは今回が初めてで、米国のGodzilla2作品は観ていたので、そのトカゲのようなGodzillaを見るたびに、「違うのよ、日本のゴジラはもっとぽってりとした体形で顔も愛嬌があるんだよね」と不満に思っており、「日本のゴジラの映画はどうかなぁ」と気になりつつも「作りが安っぽかったら嫌だな」と避けていたのです。しかし、本作で日本の最新のゴジラを見て、体形は期待通りなのですが、何しろ怖かったのが、いい意味で予想を裏切られて感動しました。

ゴジラってあんなに怖いのね。Godzillaのほうが怖くない。すごいことですよ、本当に。

4DXは、この「ゴジラ-1.0」でその本領発揮という感じでしたね。2Dで物語に集中して観ていたので、4DXでは座席の動きや風や水、光など効果のほうに集中して楽しめました。この作品だと船と飛行機両方の動きを体感できるし、海のシーンの水しぶきもいい感じ。ゴジラが登場するたびに地響きや攻撃の動きでガンガン揺れる。私の隣の席にやってきた巨漢男性がずり落ちているのが目の端で見えて笑えました。4DXオススメ。
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