凄い!このゴジラはとにかく圧倒的に強くて怖い!砲撃は全く効かず、機雷の爆発で崩れた顔もすぐに再生してしまう、そして怒ると最後には口からもの凄い光線を出して周りのもの全て吹き飛ばしてしまう。ゴジラ側の正義は全く描かれておらず、何故、破壊するのか、何故、人を殺すのか…、とにかく目についたものを破壊しまくる悪魔的な存在だ。こんな異次元の怪物に、戦後間もない時代の人間が勝てる訳がない。そう、誰もが感じてしまうような大迫力の映像にただただ圧倒され、ポップコーンを掴む手が止まりっぱなしだった。
神木くん演じる元特攻隊員敷島は、戦時中に、ただ生きたいという理由で、何の不備もない機体の異常を訴え、不時着基地が置かれた大戸島に逃げ出した。そしてその夜に現れたゴジラに対し、零戦の20ミリ機銃で撃ってくれと頼まれコックピットに座ったまでは良かったが、圧倒的な破壊神に恐れをなしやはり撃てず、殆どの整備兵が殺されてしまう。神木くんの、この人としての弱さの表現が上手かった。そして、この経験がトラウマとなって苦しみながら生きる姿と、この苦しみがあったからこそのクライマックスの大活躍に結びつくという流れが非常にわかり易く、観客の心を鷲掴みにしたんじゃないかと思う。とにかく神木くんはめちゃくちゃカッコいいっす!
「死ぬための戦いではないんです!今度の戦いは未来を生きるための戦いなんです!」第二次世界大戦敗戦後の日本で、漸く少しずつ復興しつつある東京を襲うゴジラ。軍が解体されている日本政府はなす術なく、民間人主導でゴジラを倒す会議が開催され、その場で吉岡秀隆演じる野田健治(戦時中に海軍工廠で兵器開発に携わっていた)の言葉。民間人とは言え、集まった人たちはみんな戦争帰り、必ず成功するとは限らない、失敗すると死ぬ可能性が高い作戦に、家族もいるんだ、そんな危険な作戦には参加できないと抜け出す人もちらほら。でも、多くの人たちは、今回のミッションは信頼できない政府の無謀な作戦ではなく、家族のため、そして未来ある若者たちを救うための戦いだという野田の叫びに同調する。この政府と民間の関係性の描写が絶妙で、風刺も効いており、今回のゴジラの見どころの一つになっていると思う。
ラストのシナリオは賛否あるかもしれないけど、個人的にはドストライク!山崎監督の描く昭和の世界観とベタな人情劇はゴジラでも健在ということで大満足!
ちなみに、朝ドラでも共演した主役2人は、今作出演の方が先に決まっていたらしい。山崎監督からは、らんまんロスを作るように指示?されていたとか。見事にミッションクリア、素晴らしいw
ちなみに、やはり怪獣映画は映画館で誰かと一緒に観たい!ということで、正月に帰省していた仲の良い甥っ子を誘い出掛けたけど、時間潰しのはずの新世界あたりの散歩が意外に楽しく上映時間に間に合わなくなり断念。その後も数少ない友達を誘うも皆なんやかんやで忙しく、いつまで上映されているか不安になり結局一人で鑑賞🥲 でも、隣に座ったお兄ちゃんもその隣のお兄ちゃんも一人ポップコーン、なんとなーく寂しさが紛れたw