Larx0517

ゴジラ-1.0のLarx0517のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.0
戦争が終わって、すべてが崩壊し、リセットされ、0(ゼロ)になる。

一方、戦争が終わっても、まだ戦争が終わらない人がいる。

生き残ってしまった。
生きていることへの罪悪感。
凪の海原の水中深く、亡霊のように息を潜めて、ゆらめく、機雷のように。
ゼロになることさえできない。
そうした終わらない戦争の影、負(マイナス)の遺産ともいうべき象徴がゴジラではないだろうか。
『ゴジラ-1.0』を倒すことで、ようやくリセット、0にできる。
新たに生きることができる。

怪獣映画を通して、人間ドラマを描くのは、さすがに、『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴監督。
さらに、今作でもクレジットされている株式会社白組出身だけあって、VFXも手がけている。

今作で、山崎監督はアカデミー視覚効果音を受賞している。

そんな山崎氏に、個人的に期待していることがある。
彼自身も希望しいる、『風の谷のナウシカ』の実写版の映画化だ。
それもアニメ版ではなく、宮崎駿氏の漫画版、全編を三部作で描ききってほしい。

彼が描く腐海を「体験」してみたい。
美しくも、マスクなしで呼吸すれば5分て肺が腐る、死の海の苔の上を歩きたい。
胞子の雪なかを。
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