死によって繋ぐ希望。生きることで繋ぐ希望。
アカデミー賞視覚効果賞作品ということで、期待して鑑賞していたけど、冒頭のゴジラ大戸島上陸のシーンで心が掴まれた。ゴジラかっこいいとともに、怖すぎる。人間サイズから見る、ゴジラを見上げた時の無力感。呉爾羅の大戸島の話をシンゴジラでもやってたよね。
戦争を経験したその後の日本は、「御国のために命を捧げる」みたいな思想ではなく、集会で野田さんが話していたみたいに、「全員が生き残ることこそが成功」といった、人々のために戦う人は常に貧乏籤を引き続けなければいけないというものから、命を賭けて戦う人も生きて帰ることが大切だっていう考えに大きく転換している。
最初からノリコ、敷島、澄子が子供を本能的なレベルで大切にする描写。ゴジラ決戦前夜に若者の水島を置き去りにして、「この先の日本は任せた」という言葉を残す野田と淸治。自分の身の危険を省みず、敷島を助けるノリコ。「生きなさい」と伝えるノリコ。
「かっこよく死ぬこと」よりも「恥ずかしくても生きること」を美とする世界に大きく変化したんだということを強く感じた。敷島も橘のパラシュートの設置のおかげで助かったしね。
まあとにかく映像がすごかった。中身自体はシンゴジラの方が好みだったかなって感じ。
